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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2 ( No.19 )
- 日時: 2013/08/06 22:07
- 名前: ミム (ID: r1bonIQR)
言葉が口に出来ない。
私はそれほど追い詰められていた。
恋愛経験があまり無かった私は付き合ったことも無くいつも片思いで終わっていた。
だからここまで異性に迫られた事はない。
しかもまさか実の兄に…
亮先輩、いやお兄ちゃんは私の唇に自分の唇を重ねようとした。
やめてっ、お兄ちゃん…!
私はギュっと目を瞑ると急に腕を離された。
「お兄ちゃん…」
私は初めて「お兄ちゃん」と呼んだその言葉に違和感を覚えたが少し嬉しかった。
だけど今はそんな場合ではない。
「ねぇ、お兄ちゃん…!」
「うるせぇ!!」
!
私の肩がぶるっと震えた。
どうして怒っているのかも分からない。
ただものすごく怒っているようで悲しい顔をしていた。
「ねぇ…」
私はもう一度呼んでみるとお兄ちゃんは立ち止った。
「お兄ちゃんって呼ぶな…」
えっ…?
ならなんて呼べばいいの?
「ならお兄さん?」
「そう言うことじゃねぇんだよ。とにかく…」
とにかくの所で言葉が詰まっている様子を見て私は心配になった。
少し近づこうとするとまた話し始めた。
「とにかく俺の事は『亮』って呼べ。」
亮…?
そんなの呼び捨てでいいの?
「えっでもっ———」
するといきなり近づいてきてお兄ちゃんは私にキスをした。
「んっ…おにぃ「だからそう呼ぶな…じゃなきゃキス止めない…」
「りょ……っう」
私は必死な思いで名前を呼ぶと唇と唇が離れた。
「よく出来ました。」
おにいちゃ…いや、亮は私に少し笑ってみせるとリビングに向かった。
だけどその目は笑っていなかった事に私は気づいていた。
4話 完
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