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- Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【8/18更新しました!】 ( No.41 )
- 日時: 2013/08/22 19:54
- 名前: ミム (ID: r1bonIQR)
10話
学校も終わり私は家に帰ると自分の部屋に駆け込んだ。
「っ……っく…っ」
今まで堪えてたのが一気にあふれだす。
瀬戸…
私あれから瀬戸の事が頭の中から離れないの。
これってまだ好きなのかな…?
私はどうしたらいいの?
———コンコン
ドアの方にノックが聞こえると何事も無かったかのようにする為に涙を拭った。
「亮なの?」
もしかして泣いてた事ばれたのかな…
「うん。はいってもいい?」
「えっと…う、うん。」
———ガチャ
「えっ…?」
ドアが開くと同時に亮は優しく私の体を抱きしめた。
「り、亮…?」
「お前もしかして泣いてた?」
「えっ…!?ば、馬鹿!そんな訳ないでしょ。」
「何も変わって無いな。」
「えっ?」
その言葉に私は反応した。
何も変わって無いってどういう事?
あっ、そっか。
亮は記憶にあるんだね。
昔の事…
「私ってどんな子だった?」
「うーん、泣き虫だった。」
「んぅ〜、何よぉ。もっと他に言う事無いのー」
「ふっ、あるよ。馬鹿で単純でさっきまで怒ってたのにお菓子をちょっと分けたら泣きやんだし———」
なんか私って良く思われてないなぁ。
やっぱり嫌われてるのかな…?
「だけど優しくて俺が悲しい時もずっとそばに居てくれた。」
えっ…
「なんてな。ってお前めっちゃ顔赤いぞっ。」
「えっ!?そ、そう?ここってものすごく暑いからかなぁ?」
「ぷっ、やっぱり馬鹿で単純だ。」
そう言った亮は確かに笑っていた。
その笑顔を見ると私も自然と笑顔になっていく。
亮は急に私の顔をじっと見つめた。
な、何!?
「やっぱりお前は笑ってる時の方が可愛いよ。」
「え…」
やばいっ、また思い通りになるところだった…!
「もう、またからかわないでよ〜!」
私は思わず目をそらしてしまうと亮は私の顎を手で少し上げた。
「嘘じゃねぇよ。お前は————」
亮は急に何かを思いつめたように立つと「忘れてくれ」と言って部屋を出ていった。
なんだったんだろう?
近くにあった鏡を見ると私は笑顔になっていた。
亮、貴方には私がどんなふうに映ってるの?
心の中に出来た不思議な思いは今日も消える事は無かった。
10話 完