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- Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2 ( No.49 )
- 日時: 2013/09/15 10:38
- 名前: ミム (ID: r1bonIQR)
12話
私も家を出て学校に向かう事にした。
「はぁー…」
いつの間にか溜息が出ていた。
亮が分からない。
私の事を一体どう思ってるんだろう。
もしかしてからかっているだけだったりして…
って、もーーう!
亮を頭から出さなきゃ…!
学校に着くといつもの違う皆の様子にすぐ気付いた。
「ねぇ、あの子じゃない!?」
「えっどれっ?」
一体何なの?
皆は私を見るとコソコソ話し始めた。
気になった私は鈴に聞いてみる事にした。
「鈴!」
「あっ、千歳!」
鈴は私に気付くとすぐに場所を移動するように動いた。
誰も居ない廊下に来ると、鈴はなぜか真剣な顔をして私に問い掛けた。
「千歳、隠し事とかしてないよね…?」
「えっ?」
どういう意味だろう。
だけど隠し事は特にしていない。
何か疾しい事でもした覚えはないし…
「してないけど…」
「そっか…」
鈴はなぜか一瞬悲しそうな顔をすると何事も無かったかのようにいつもの鈴に戻った。
しかしどうしてこんな質問をしてきたんだろう?
まさか隠し事って亮と兄妹になったって事———?
「してた…」
「えっ?」
「隠し事してたよ。」
「うん」
鈴はそれ以上聞かなかった。
きっと分かっていたんだろう。
「聞かなくても分かるの?」
「分かるよ。結構噂立ってたからさ…」
そうだったんだ…
「でもよかった!千歳がちゃんと話そうとしてくれて。」
「へ?」
「ううん、何でも無い!さっ、行こっか!」
「う、うん…」
鈴は私の様子に気付いたのか私を励まそうとしてくれた。
「大丈夫だよ。千歳には私が居る。だからもし変な奴が来たらこの鈴様が倒してあげるのだぁ!」
「クスッ」
「よかった…」
「ん?」
「ほら千歳最近笑ってなかったからさ…?」
「鈴…」
鈴がそこまで私のとこを見て居てくれたなんて、気付かなかった。
「ありがとう。」
「うん。」
私は鈴の優しさに少し嬉し涙を隠しながら教室に向かった。
12話 完