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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【9/17、2回更新しました!】 ( No.54 )
- 日時: 2013/09/30 08:26
- 名前: ミム (ID: r1bonIQR)
14話
あの時感じた、あの鼓動がまた蘇るのを体で感じた———
「瀬戸……」
着いた先は体育館裏だった。
瀬戸は私の声に大きく反応すると腕を離した。
熱い…
何故か瀬戸に握られた部分だけ跡も何もないのに私はまるで証のように「熱い」と感じた。
「あのっ……」
瀬戸とは昔仲が良かった。
だけどあの事がきっかけで全く話さなくなり、まるで今は初対面の感じだった。
「あっ…わりぃ……」
言葉を詰まらせると私達は気まずい雰囲気にのみ込まれた。
どうしよう…
何て言えば良いか分からない…
「「あ、あのさっ…!」」
へぇ…!?
言葉が被った。
何故かそれが異常に面白くて私達は笑みがこぼれた。
「「ぷっ」」
また被る。
「「ハハハハハ!」」
いつ振りだろう。
こんなに瀬戸と笑いあったのは———
笑い終わりまた静かになると瀬戸は口を開いた。
「そう言えば久しぶりだよな。」
「え?」
急な言葉で思わず焦る。
「ほら、こうして話すの。」
「あっ、うん。でも……」
私は「前にもあったよね。」と言いたかった。
だけど言っていい事なのかイケない事なのか分からなくなり、言葉に詰まる。
「前は話したって言うより、なんていうか俺が勝手に話してるって感じだったし…でもさ、今橘はこうして俺と話してくれてる。しかも一緒に笑ってくれた。」
「うん。」
私の目に涙が溜まっていく。
瀬戸…私が急に話さなくなった事怒ってないの…?
「だからさ、そのっ…俺嬉しいんだよ。」
急に体が熱くなっていく。
「———って俺何言ってんだろう!?て言うか今の無しにして!」
「へ!?」
「もうこっち見んな!」
次第にタコみたいに赤くなっていく瀬戸を見て私はまた笑顔になった。
「くすっ」
「あっ、笑った!」
「な、何よ…!?笑ったら駄目?」
「ううん。笑ってるお前が俺は好きだよ。」
「それって————」
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