コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【10/5、2回更新】 ( No.65 )
日時: 2013/10/06 10:22
名前: ミム (ID: TW1Zh9zP)

17話


———月曜日


「ふぁぁぁ〜」


私は大きなあくびをしながら今日も立派に晴れている空を見た。
あれから亮とは普通に仲良く(?)していたけど、やっぱり心のどこかで物凄く気になっている自分がいた。

鈴に相談をしようと思うけど迷惑かけたくないしなぁ…


「ちーとーせーっ!」

「わぁっ!」


私の目の前にいきなり現れた鈴を見て私は吃驚した。


「何そんなに驚いてるの?」

「べ、別に…何も無いよっ!ほら元気、元気!」

「うーん、ならいいけど…」


納得はしたのか鈴はそれ以上は聞かなかった。
だけど鈴の可愛い顔がしかめるのを私は見逃さなかった。

やっぱりばれたよね…?

学校に着くと瀬戸に会った。


「あ゛!」


思わず変な声が出てしまう。

気まずいなぁー…
だってまだ一日も立ってないし…


「おはよ、橘。」

「う、うん!」

「何だよ。変なの。」


「変なの」って、もしかして昨日の事忘れたのかな?
なんかちょっとショックな様な…
けど私には亮がいるもん。


「あっ、瀬戸君だぁ〜!一緒に行こうっ♪」


瀬戸のファン?(瀬戸は昔から可愛い悪魔のようなルックスで女子からとても人気があった。)
でも凄いなぁ。
あんなに堂々とアピールできるなんて…


「ごめん。」

「えっ?」

「俺、コイツが好きだから一緒には行けない。」


えっ…!?

そう言い瀬戸は私の肩を抱いた。


「ちょ…瀬戸!?」

「しー…!もうちょっと付き合ってくれ…!」


瀬戸は顔をしかめると女子の方を見た。


「何よっ!?あんなのより私の方が可愛いのに!」


女子は私の文句を言いながら教室に向かって行った。
それと同時に瀬戸は私の肩を離した。


「やー、わりぃな。俺ああいうの苦手でさ…」

「あっ、ううん。」


何だ、利用されただけか…
なら昨日のは夢?
でも亮のは夢じゃないよね?


「まぁでも橘を好きな事は本当だけどな。」

「へっ!?」


昨日のは夢じゃなかったんだ…

なぜか少し安心した。
だってもしかしたら亮のまで夢だったりして…なんて思ったからだ。


「で、でも諦めたんじゃ…」


———パチッ


「いてっ!」


亮は私のおでこを軽く弾くとニカッと笑みを見せた。


「もう少しくらい想わせてくれよ。」


そう言って瀬戸は男友達の方に走って行った。

瀬戸、ありがとう。

初めての恋は君だった。
きっとずっと忘れる事は無い。


「あっ!亮先輩だ!」

「えっ!?」


鈴が目を向けた方に私も向けてみるとそこには亮がいた。
そして何故か私の方を向いて口を動かしている。


「あれ?なんか千歳に向かって言ってるよ!」

「うん…何て言ってるんだろう?」

「でもなんか怒ってるよね?」

「え゛…!?」


確かに怒ってる…

よーく亮の方を見て動かしている口の形を見てみると———


『後でお仕置きするからな』

「ふぇ!?」


お、お仕置きって…!?

急に驚いた私を見て鈴は不思議に思ったのか首を傾けた。


「分かったの!?」

「うん…」

「何て何て!?」


目をキラキラ輝かせて鈴が私に答えを求める。

でも言えない…


「お、おはよう、だって…!」

「そうなんだぁー。何だつまんないのぉ。」


鈴は頬を膨らませると私の顔をチラッと見た。


「クスッ。相変わらずラブラブ何だから。」


鈴がそう言った事も知らずに…


17話 完