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Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【10/8更新】 ( No.68 )
日時: 2013/10/10 21:18
名前: ミム (ID: TW1Zh9zP)

19話 亮視点


昔からお前が好きだった。
笑った顔、怒った顔、泣いた顔、驚いた顔———
全てが愛おしく思わせる。

そうあの日以来、何もかもが変わった。


「親父、今日はどこに行くんだ?」


中1の幼き俺が親父に問い掛ける。


「今日はお前の妹に会いに行くんだ。」

「妹?」

「あぁ。亮には私が離婚する前妹がいた。」

「ふーん。」


妹かぁ…
なんか別にどうでもいい気がする。


「どうした?」

「ううん、別に。」

「そうか。おっ、言ってる間に着いたぞ。」


車は遊園地の門を潜り駐車場に車を停めた。

…ってなんか緊張してきた。
さっきまではどうでも良かったはずなのに…


「おーい!」


親父は目を細めて遠くの方に手を振ると俺の肩を軽く叩いた。


「ん?」

「お前も手を振ってやれ。」


めんどくせ…

そう思いながらも俺は血の繋がった知らない人に手を振った。
すると俺のお母さんらしき人が手を振り返してくれた。
だけどその隣に居る女の子は手を振り返してはくれなかった。

チッ、めんどくさそうなやつだなぁ。

最初はそんな印象だった。


「貴方、今日はよろしく頼むわね。」

「ああ。」


親父は素っ気ない態度を取ると俺と女の子を遊園地の中に招いた。


「じゃあ後は好き勝手にやってくれ。」

「え?コイツと!?」


親父は俺の頭をコツンと叩くと「コイツとは何だ」と怒った。

いってぇなー
だってさっきから見てればコイツ全く話さないし俯いてばかりじゃん。


「2人で上手くやるんだぞ。6時に此処に集合な。」


親父はそう言い俺とコイツを残して何処かに行ってしまった。

一体どうすればいいんだよ…

俺はパッと見てみると女の子はもう泣きそうな顔をしていた。
それを見かねた俺は話しかける事にした。


「名前は?」

「っ……?」


怯えてる…?

女の子は物凄く怯えていた。
まるで俺が怪物かのように。


「だから、名前。」

「え、えと…ち、千歳です…」

「千歳か。俺は亮。宜しく。」

「は、はひっ…!」


「はひっ…!」ってお前馬かよ…


「ぷっ」

「?」

「…って、よし、じゃあ行くぞ。」

「はいっ…!」

「あ、後敬語じゃなくていいから。」

「はぃ…じゃなくて…うんっ。」


こうして俺達は少しずつ打ち解けていった。