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- Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【10/8、2回更新】 ( No.69 )
- 日時: 2013/10/09 10:52
- 名前: ミム (ID: TW1Zh9zP)
———2時間後
「ねぇ、亮アレ乗ろう!」
「亮」って…
さっきまであんだけ人見知りだったのにどうしたらこんなに普通になれんだよ。
「どうかしたの?」
———ドキッ
俺の鼓動が何故か跳ねる。
ば、馬鹿だろ俺。
こんな小5の女にトキメクはずなんて無いのに…
「て言うかお前何でさっきまであんなに俺の事怖がってたの?」
「え…」
千歳は急に眼を泳がせた。
もしかしてやばい事聞いた…?
「えっと…実は昔から人見知りでね…だけど打ち解けたら物凄く仲良くなれるんだ。自分で言うのも何だけどさっ!それに亮が話しかけてくれたから…」
そう言って千歳は歯を見せニコッと笑った。
「ふ、ふーん。まぁ別にどうでもいいけど…」
俺は素っ気ない態度をとった。
もしかしたら自分でもこの気持ちの気付いていたのかもしれない。
それから俺達は遊園地の乗り物を全て乗りつくした。
しかしアレを除いて…
「そう言えばまだ観覧車乗ってないよね?」
「あ…あぁ。」
「もう少しで6時になるし最後に観覧車に乗ろうよ!」
「えっ!?」
「ん?どうかした?」
千歳は大きな目で俺を見上げるとキラキラさせて言った。
「仕方ねぇなぁ。」
「やったぁ!」
千歳は大きくジャンプをすると俺に抱きついた。
「ッ———!止めろ!」
「えっ?あっ、ごめんね……って亮!?顔真っ赤だよ!大丈夫?」
真っ赤…!?
そんなはず———
そう思い近くにあった鏡を見てみると俺の顔はまるでトマトみたいだった。
「ち、ちげーよ!これはあれだ…!ほら、今日暑いだろ?」
「んー、暑いかな?」
千歳は首を少し傾げると気にもしないかのように観覧車乗り場に走って行った。
「この観覧車に乗ろう!見て全部ガラスで出来てるよ!」
「え…何でコレ?」
「だって全部景色が見えるんだよ?まるで浮いてるみたいじゃん。」
「でも俺…」
「ほらっ、行こっ!」
俺の手を無理やり引っ張ると俺と千歳はガラスの観覧車に乗った。
「わぁぁぁ〜すごーい!」
「おぅ…」
高い…
て言うか黙ってるけど俺めっちゃこえーよ…
それにしても千歳よくこんなのに乗れんな。
———ガタッ
いきなり千歳は立つと俺の隣に座った。
「何でこっちくんだよ。」
「えっ、別にいいでしょ?」
千歳は相変わらずケロッとした顔をしている。
俺がこんな思いでいるとも知らず…
「見て!あれもうじき完成する世界一のタワーだよ!」
「う、うん…」
俺の異変に気付いたのか千歳は心配そうな目で俺を見た。
そんな目で見るなよ…
「亮…?」
「俺…!」
「へっ?」
「俺こえーんだよ!高いとこ!」
「………」
意地になって、もうどうでも良くなって俺は思い切って暴露した。
千歳は急に黙ると何故か肩を震わせた。
まさかそんなに怖かった…?
「千歳、俺怒ってねぇ「ぷっ…ハハハハハハ!!」
「?」
俺の目は一気に丸くなった。
「何笑ってんだよ?」
「あ…ごめんなさいっ…!でもまさか…クスッ」
千歳がこんなにも笑っている。
俺にはこの事がどうしようもなく嬉しかった。
そしてとうとう別れが来た。
6時に約束した場所で待っているとしばらくして親父と母が来た。
「今日は楽しかったか?」
「うん!とっても!」
「そうか、それは良かった。亮は?」
「お、俺は普通…」
———ゴツン
親父は俺の頭をまた軽く叩くと睨みつけた。
「嘘だよ。本当は楽しかった。」
「そうかそれは良かった。」
親父は安心した顔をすると優しく微笑んだ。
でも本当に楽しかったなぁ。
また千歳と遊べてたら———
「また遊ぼうよ!」
「えっ?」
「いい?」
「まぁ…しょうがねぇな!」
そんなこんなで2人で笑い合い別れた。
それからというもの何回も遊んだ。
この幸せがいつまで続くのかも知らないまま…