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Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【10/12更新】 ( No.74 )
日時: 2013/10/13 09:50
名前: ミム (ID: SR0aabee)

21話


———バンッ


急いで家に着くと勢いよ家のドアを開けた。
それと同時に私の声も弾ける。


「亮!!」


だけど亮の声が聞こえない。
いくら呼んでも———


「亮……?」


部屋も真っ暗だし、一体何処に行ったんだろう…

私の心が不安でバクバクしている。
その心臓の音は自分の耳にまで届いていた。

家の中を探してみたけどやはりどこにも居ない。
後は禁断の亮の部屋だけ…


———ギィー


静かに亮の部屋の中に入ってみるとそこにも亮は居なかった。


「はぁ………」


体の力が抜けたように床に座り込む。

どうして居ないの…?
まさかさっき「大っ嫌い」なんて言っちゃったから…?


「っ……く…っ……」


謝るから…謝るから、亮…帰ってきて…お願い…


———ガチャ


私しか居ない亮の部屋のドアが開いた。


「千歳…!!」


———ギュウ


そしてそこには一番会いたかった亮が居た。
私の体を抱きしめる。


「りょ…う……」


私はまた泣いてしまう。


「会いたかったの……亮に…会いたかった…———」


何度も何度も私はその言葉を伝えた。
亮は私がそう言う度「俺もだよ」と返してくれた。

何時間たっただろうか?
時計を見ると針は0時を指していた。


「千歳…ごめんな…」

「ううん…私の方こそ辛い思いさせてごめんね…」

「何で千歳が謝るんだよ…?」

「だって私…鈴から聞いたの。」

「っ………」


亮は私の体を離した。


「黙っててごめん。マジでごめん…でも「私の為だったんでしょう?」

「あぁ……」

「亮…」

「………」

「ありがとう。」

「————!?」


亮……

その日初めて亮の涙を見た。
亮の涙はビー玉みたいに綺麗で銀色に光っていた。


「亮…それとあのね…さっきの嘘だから…」

「ん……?」

「だから…『大っ嫌い』っていうの。本当はその真逆だから…///」

「……ふっ…素直じゃねぇなぁ。だけど…俺も———」


そう言って私達はキスをした。
その場で溶けてしまいそうな甘いキスを———


21話 完