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Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2 ( No.81 )
日時: 2013/10/15 15:33
名前: ミム (ID: SR0aabee)

そうタブーな事くらい…
だけど————


「明日はとうとう結婚式だね〜」

「そうだよなー!俺、春花のウエディングドレス姿、ちょー楽しみっ!」

「またまたぁ〜もう拓ったら♪」


偶々隣に居たカップルの会話が私達の耳にまで届いた。

明日にはもうカップルじゃないのだろう。
だって夫婦になっているのだから。
だけど私達にそんな日はやってこない…
やだ、なんか涙が出ちゃいそう…


「亮、私ちょっと忘れ物しちゃったから取りに行ってくるね…!!」

「千歳…?」

「ごめん…っ…」


その言葉を最後に私はその場を去った。


「はぁはぁはぁ———」


て言うかここどこ?

私が今居る場所は大都会の中の大都会だった。
右を見れば美味しそうな匂いがするレストランがあって、左を見れば世界的にも有名な服のお店があった。
それにカップルもいっぱいいた。
それを見るとまた目に涙が溜まった。


———ギュ


「!」


後ろから誰かに抱きしめられる。

ううん、誰かじゃなくて分かってるの。
この匂い、体の大きさ、抱きしめ方———
全てが亮だって事。

街行く人たちが私達のことを見ていた。

恥ずかしい…///


「離して…」

「やだ。」

「え…っ…」

「離したらまた逃げちゃうでしょ?」

「……もう逃げないから…」


亮は優しく離してくれると私の頭を撫でた。


「ごめんな…千歳。」

「亮……?」

「結婚のことだろ?」

「っ………気付いてたの…?」

「ああ。」

「私もごめんなさい。無理だって分かってるのに…欲が出ちゃったみたい…あはは…」


無理に笑おうとするがうまく笑えない。
その時亮が私の手を引いた。


「着いて来て。」


亮はそう言って私をある場所に連れていった。