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- Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【10/18更新。新キャラ登場】 ( No.90 )
- 日時: 2013/10/18 23:51
- 名前: ミム (ID: MbtYH2rf)
25話
放課後、私は急いで家に帰ろうとしていた。
何故なら今日は亮がお休みだからだ。
あー、早くしないとっ!
少しでも亮と一緒に居たい。
鞄の中に勢いよく教科書や筆記道具を詰めると肩に背負った。
その時———
「あのぉー橘さんいますか?」
過去にも味わったあの体験が蘇る。
あの時は亮が助けてくれた。
だけど今は亮はいない。
どうしよう…
恐る恐る教室のドアの方を見てみるとそこには伊集院さんが1人でいた。
なんだ…
良かった。
ホッとしたのか体の力が抜ける。
いや、でも待てよ。
まさかここまで来るって言う事はさっき翔さんと話してた所見られてたとか…
嘘、もしかして退学にさせられちゃうの…
私は伊集院さんがいる反対側のドアから静かに逃げようとした。
しかし気付かれてしまった。
「橘さん、逃げてもむだよ。さぁこっちに来てもらうわ。」
「えっ」
伊集院さんに引きずられながら私はとうとうここまで来てしまった。
そう、よく修羅場がある体育館裏だ。
「あの…「『あの…』じゃないわよ!貴方一体どういうつもり!?翔をおとそうなんて百万年早いのよ!ていうか何、あれ計算でやってるの!?————」
それから伊集院さんの猛烈な私の悪口は続いた。
私はそれをずっと首をコクコクして聞いていた。
「何よ!?貴方さっきから他人事ように聞いて頷いてるけど全部貴方の事よ!」
「分かってます。」
私は真っすぐ伊集院さんの目を見て言った。
私が冷静にならないと…
そう心の中で唱えながら。
「チッ、ホント聞き分けのない子ね。もういいわ。退学にしてあげる♪」
「そ、それだけは…!!」
「ん?今何て?」
伊集院さんはわざとらしく私に聞いた。
彼女はまるで悪魔みたいだった。
「それだけは止めてください。」
「へぇ〜又私に指図するつもり?」
「………」
思わず黙り込んでしまう。
指図も何も伊集院さんは大金持ちの娘だ。
こんな人を敵に回したら世界を敵に回したも同然だ。
「ねぇ答えなさいよ。」
「っ………!」
首を締められる。
「い…伊集院さん……」
息が出来ない…
助けて、亮…
———パシッ
その瞬間、私の首は解放された。
「はぁはぁはぁはぁ———」
危うく死ぬところだった。
それにしても一体誰が…
そっと顔を上げてみるとそこには翔さんに殴られた伊集院さんがいた。
伊集院さんは泣いていた。
「か…けるっ…っ…どうして私を…っ…悪いのは全部、橘さんなのよ…っ…」
そして泣き崩れる。
「嘘つけ!お前今何したか分かってんのか!?」
「わっ…か…ってる…」
「………」
翔さんは黙りこむと私に手を貸した。
「立てるか?」
「は…い…って、いてっ…」
立とうとするが上手く立てない。
私震えてる…?
———スッ
「乗って。」
「え?」
「いいから。」
翔さんは私におんぶされるように指示した。
「ういしょっと!」
「あの、大丈夫ですか…!?私はもう大丈夫なんで…」
「ホント馬鹿だな。まだ震えてんぞ。」
そう言われ自分の手を見てみると明らかにガクガクと震えていた。
だけど伊集院さんはどうするの?
さっきからずっと泣いてる…
「翔さん。」
「ん?」
「伊集院さんは…」
「お前ホントのホントに馬鹿だな。さっきあんなことされたんだぞ?」
「わ、分かってます…!だけど…さっきからずっと泣いてるし…」
「ふっ、マジでお前には惨敗だわ。」
「ふぇ?」
「まぁ桜子なら大丈夫だ。今執事達が向かってるから。」
「はい…」
こうして私達は教室に向かった。