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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ヒーリングKISS(仮……かもしれない←) ( No.12 )
- 日時: 2013/07/26 12:18
- 名前: ぴんくのうさぎ ◆v8I1Bhr5SU (ID: EOxiYAsu)
いやー、同時進行って難s((黙
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「……あ……」
思わず少年に見入る少女。
少年は苛立ったように少女の手を振り払った。
「触るな」
一瞬で冷たい目、冷たい声に戻る。
しかし、少女はもう恐怖は感じていなかった。
(……このヒトにも……心はある……!)
少女は助けたいと思った。
冷たく凍りついた心を溶かしてあげたいと思った。
少年の本当の姿を知りたいと思った。
「……私……あなたのことが知りたい。なんで人殺しなんてしてるのか。なんでそんな寂しい目をしているのか」
目の奥にちらつく黒い影はなんなのか。
「私を貴方のお供にさせて。お願い」
少しでも光が届くなら。
深い闇に閉じこもったあなたに手を差し伸べてあげられるなら。
「あなたと一緒に戦いたいの」
真剣な眼差しで少年を見つめる少女が、少年にはかつての大切な人とダブって見えた。
——“あなたと一緒に戦いたいの”——
「……ミリナ……!」
少年は、泣いていた。
「……っっ……。俺に構うなッッ!!!!」
少女を突き飛ばして広場を突っ切っていく少年。
過去の思い出が、一気に少年の中に溢れ出す。
“アレン、次は何処行こっか?”
“指輪……!アレン、大好きだよっ”
“さよ……なら、だね、アレン……”
“ありがとう”
「……うああああああああああああああッッッッ!!!!!!」
とっくに枯れ果てたと思っていた涙が次から次へと流れ出てくる。
少年はしばらく走ると、がくり、と壁にもたれかかった。
「……会いたいよ、ミリナ」
左手の薬指にはめられた、銀色のリングが寂しげに光っていた。
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