コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ヒーリングKISS(仮……かもしれない←) ( No.35 )
日時: 2013/07/31 18:55
名前: ぴんくのうさぎ ◆v8I1Bhr5SU (ID: 187ZDN1M)

いやぁ、丸一日開けただけでここまで後ろに下がってしまうとはwww
恐るべし夏休み 笑。
ちなみに、忘れないでください。これ、コメディ・ライトですからね!?←

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(殺す!殺す!絶対殺す!)

"藍蝶"。何よりも大切だった親友。
独りだったアリアに、唯一出来た仲間。

「うわあああああああああああああああああああああああッッッッッ!!!!!!!!!!!」

叫びながら短剣を振り下ろす。目指すはアレンの心臓。


——……でも。


カランッ、と短剣がアリアの手から滑り落ちる。

「……出来……ないよ」

座り込んで顔を両手で覆うアリア。

「アレンを殺すことなんて、出来ないよ……」

(藍蝶。ごめんなさい)

「……アレンは私を守ってくれた」

(ごめんなさい)

「仇が討てなくて……」

(臆病者で……)

"ごめんなさい……"

「……っっ、私はどうすればいいの……っ!?」

友の死に、仇を討てなかったことに、アレンを殺そうとしたことに涙を流すアリア。
何より、自分自身のことが許せなかった。

「……おい」

声の方に顔を向けるアリア。そこにはアレンが立っていた。

「泣くな」
「……!!」

(あの時と同じ、寂しい目……)

スッ、とアリアに手を差し出すアレン。

「俺を生かしてくれて、ありがとう」

"ありがとう"

「……ッッ!!」

ぶわっと溢れる涙。

(……そんなこと言われるなんて思いもしなかった)

「お、おい!」
「……そんなこと言われて、泣くな、って方が無理よ」

苦笑いを作ってみせるアリア。

その瞬間、驚いたような、泣きそうな顔を浮かべるアレン。

「……実は、正確には俺が殺したんじゃないんだ。……最終的にそういう形になってしまったんだ」

不意に目を伏せたため、表情は見えない。
しかし、その顔は暗く、ひどく悲しげなのはアリアにもわかった。

「……2年前のことだ。俺とミリナ……藍蝶は、買い物の帰りに"黒薔薇"ってギルドメンバーに襲われたんだ」

『黒薔薇』という名に目を見開くアリア。

「く、黒薔薇って、最強最悪って言われる、闇ギルドのことじゃない!」

黙って頷くアレン。

「なんで俺達だったのかは知らない。でも、計画的なことだったのはすぐに分かった」

拳を握り締めるアレン。

「今でも覚えてるよ。あいつら一人一人の顔、その日の天気、ミリナの最期の笑顔」

首元のアザを忌々しげに掴む。

「……俺達から全てを奪っていったあの日のことを」

不意に鳴った雫の音にびくりとするアリア。
俯いたままのアレンの目から、大粒の涙が何度も頬を伝っていた。