コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ヒーリングKISS(仮……かもしれない←) ( No.59 )
- 日時: 2013/08/16 20:23
- 名前: ぴんくのうさぎ ◆v8I1Bhr5SU (ID: Pc9/eeea)
ハハハハ≧(´▽`)≦
……本編更新したのちょうど10日前だ(;・∀・)
よ、よし!気合入れて頑張ります!o(*・ω・)○気合だー!!←
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
……キュッ
不意に、アリアを抱きしめるアレン。
「……え?あ、アレ……」
「しっ。ちょっと気付かないふりしててくれるか?」
小声でアリアに囁くアレン。
「い、いや、でも、これは……」
アレンの体の熱がアリアに伝わる。
そのせいだけでもないが、急上昇していくアリアの体温。
さっきまでのシリアスなムードはどこへ行ったのか、いきなり作者が苦手とするピンクい感じのムードになり始めた。
「……トル……」
「ひゃっ!?」
耳元で囁かれて思わず飛び上がりそうになるアリア。
「な、何、アレン?」
「……5メートル……」
「…………へ?」
すっとんきょうな声を出してアレンを見るアリア。
アレンは今の状況のことなど全く考えていない様子で、真剣な顔でどこかを見つめていた。
「あ、アレン……?」
「……3メートル……」
アリアの呼びかけには答えずに、ブツブツと呟くアレン。
(さっきからアレンは一体何を数えてるの……?)
不思議そうに眉をひそめるアリア。
すると、次の瞬間、いきなりアレンが
「そこだッ!」
と叫んで振り返った。
アリアは状況が飲み込めずに、少し遅れてアレンの後ろを見る。
「……結晶……?」
すると、結晶が散っていくのが見えた。
……一体何の?
何気なくアレンの手元を見ると、アリアは驚いた。
(いつの間に抜いたの!?)
黒光りする剣を手に持っているアレン。
(まさか、振り向きざまに……!?)
咄嗟のこととはいえ、やはり速い。アリアは、なんだか感心してしまった。
「すまん、驚いたか?魔物が来てたんだ」
「……あ、じゃあ、さっきの結晶って、魔物の……」
頷くアレン。
「それにしても随分空気が読めない魔物だ。それに、一体だけじゃないみたいだな」
「……え?」
(一体だけじゃない……?)
「よく見ろ、周りを」
そう言われて周りを見渡すと、そこら中で赤い目がちらついているのが見えた。
「マッドネズミの大群だよ。どうやらここは、アイツらの縄張りだったみたいだな」
ハッ、と息を呑むアリア。
「ままま、マッドネズミ!?マッドネズミって、あの……!?……って、何?」
きょとん、とした顔をするアリアに、重い溜め息をつくアレン。
「……アリア、お前魔物と戦ったこと無いのか?」
「遭ったことはあるけど、いつも逃げてたから」
「…………はぁ…………」
再び溜め息をつくと呆れた顔でアリアを見るアレン。
「マッドネズミっていうのは、その名の通りネズミの魔物だ。ま、普通のネズミのサイズじゃなくて、1メートル弱ある大型のネズミだけどな。でも、サイズの割には1匹1匹はものすごく弱い。1回切ればすぐ消える。だから、集団行動をしていることが多いんだ」
「…………へ、へぇ……」
(さすがアレン。"闇の殺人鬼"と呼ばれるだけあるわね……)
「……お前、さすがとか思ってるかもしれんが、これは常識だぞ」
「ギクッ」
「アリアが物を知らなさすぎるんだ。そんなんでよく生き延びてきたな」
「……ま、まぁ、最悪奥の手というものがあるから、あはは……」
アレンの冷たい言葉に目を泳がすアリア。
「……とにかく、逃げるぞ」
アレンの言葉に、え、と耳を疑うアリア。
「戦わないの、アレン?」
「……そうしたいところだが、お前、こいつらと戦って勝つ自信あるのか?」
「え?無いけど?」
「……即答かよ……」
だから、と言葉を繋げるアレン。
「逃げたほうが楽なんだ。アリアの怪我も心配だしな」
「……え?……あ、うん、そうだね……」
(心配しててくれたんだ……)
嬉しくて、頬を桃色に染めるアリア。
「……おい、また顔が赤いぞ。やっぱり熱でもあるんじゃ……」
再びアリアの頬に触れようとするアレン。
「いやいやいやいや本当に無いの!ぜんっぜん元気よ!ほら、この通り!」
腕をぶんぶんと振り回すアリア。それを見て、アレンが焦ったように
「馬鹿!無駄な動きをするな!」
「……え?」
アリアが何かの気配を感じて振り向くと、赤い目が目の前まで迫っていた。
「ひいっ!?」
顔を真っ青にして固まるアリア。それに飛び掛る魔物……。
バシュッ
「行くぞ!早くここから逃げるんだ!」
素早くそのネズミを斬ると、放心状態のアリアの腕を掴んで走り出すアレン。
「あいつらは、動くものに反応するんだ。……ほら、俺たちを追っかけてきてるだろ?」
未だポーっとした顔で後ろを見るアリア。
すごい勢いで追いかけてくるネズミたちを見て、ぎこちなく顔を前に向ける。
「……本当だ」
引っ張られるだけでなく、やっと自分の足で走り出すアリア。冷や汗が浮かんでいる。
それを見て、笑うアレン。
「逃げてばっかりいただけあって、足は速いんだな、お前」
「……なっ!失敬な!まるで私が戦わない腰抜けみたいじゃない!」
「違うのか?」
「……言い返せない……」
なにか反論しようとするが、諦めて苦笑いをするアリア。
「よし、このペースで町まで走るぞ」
「……うえ!?流石に体力がもたな……」
「え?俺、まだ半分も本気出してないぞ?」
驚いた顔でアリアを見るアレン。
(いや、驚くのはこっちだから!)
「……まぁ、マッドネズミ達もまいたみたいだし、少しペースを落とすか。今日中に町に着く予定だったんだが、仕方ないな」
隣で息切れし始めたアリアに声をかける。
「アリア、お前、野宿したことはあるか?」
「……え?の、野宿?ゼェ、な、ないけど……どうして?」
「いや、今日はここで野宿しようと思ってるから」
さらりと言ってのけるアレン。
「……えええええええええええええええええ!?」
アリアの叫び声が森にこだました……気がした。