コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ヒーリングKISS(仮……かもしれない←) ( No.65 )
日時: 2013/08/21 17:17
名前: ぴんくのうさぎ ◆v8I1Bhr5SU (ID: pkXg7QLy)

やっと更新です。
……いやぁ、最近ずっとシリアスロード独走中ですが、どこかでコメディ・ライトに戻れる分かれ道でコメディ・ライトに戻る……予定です……あは(*´∀`((殴
なんか転生ver書きたいとか最近思ってます((これ以上長引かせてどうする

それでは番外編です。
それにしても最近更新してないから本編が全く進まずgdgd走行orz
しかもタイトル?題名?が前回前々回と『○○〜××〜』みたいになっちゃったので、今回も無理やりそうしたら本当に無理矢理になっちゃったのでスルーを決め込んでください。←
(仮)つきタイトルも、なんとかしたいなぁ……。
そして毎度毎度番外編の後味悪すぎorz

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【参照300突破記念「ベストフレンド〜友の誓い〜」】


カランカラン

お洒落なカフェの中に、慌てたように一人の少女が入ってきた。

「ごめんミリナ! 待った!?」

ゼェゼェと息が荒い、ストレートロングの茶髪の少女の名は、アリア・フロー、16歳。
しかし、自慢のその髪の毛も今はボサボサである。

「うん、待った。1時間待った」
「……ええ!? 1時間も!? ミリナ、あんたどんだけ早く来てたのよ!!」
「冗談。今来たとこ」

ニコニコと笑いながら、さらっと嘘を言いのける少女の名は、ミリナ・モール、同じく16歳。
藍色の髪と目のため大人しそうな印象を受けるが、実際はそうでもなく、むしろ自分から危険に突っ込んでいく方である。

「な、なんだ嘘か。……でも、また騙される私って」

そう言いながらミリナの正面の席に座るアリア。
……そう、ミリナにアリアが騙されるのは珍しいことではなく、日常茶飯事である。

「……あれ、まだ頼んでないの? いつもミリナが食べてるやつ」
「ううん、頼んでるよ。来てないだけ」
「お待たせ致しました、ジャンボチョコレートパフェでございます」

ちょうどウェイトレスが持ってきた、いわゆる『いつもの』とは、このパフェのことである。
名の通り大きな器に、これでもかというほどチョコレートアイスが盛り付けられ、さらにその上から甘ーいチョコレートソースがかかっているという、見ているだけで胸焼けがする代物である。

「うははーいきたきたきたーーーッ!!!」

凄いスピードでミリナの口に消えていくチョコアイスを、苦笑いで見守るアリア。

「本当、よくそんなもの食べれるわよね、ミリナ」
「ふぁっへ、ふひはんはほん(※だって、好きなんだもん)」

口をもごもごさせながら答えるミリナを、呆れた目で見つめるアリア。

「……ひんはんはっふぇ?」

急に、アリアに向かって何かを言ったミリナ。

「……え?今なんて……」

ミリナは口の中の物を飲み込むと、もう一度言った。

「死んだんだって?」
「…………え?」

あぁ、と納得したように話を繋ぐミリナ。

「主語がなかった。紅蝶が、ね」
「……え、あ、あの紅蝶が……!?」
「うん……しかも女の子に負けて。私たちと同い年の」
「…………そう。どんどん住みづらい世界になってきたわね、ここも」

はぁ、と溜め息をつくアリア。

「そのことに関しては私からも報告するわ。……黄蝶も死んだって」
「……あぁ、昔アリアにぞっこんだった。……死んじゃったんだ」
「…………私たちだって、いつ死ぬか……」
「ちょ、ちょっと、やめてよ! そんな話するために呼んだんじゃないんだから!」
「話題振ったのミリナでしょ?」

ま、まぁね、と言葉を濁すミリナ。

「で!実はですねぇ……ふふふ」

急に怪しく笑い出すミリナ。

「……何、ノロケ話は聞きたくないわよ」
「ええっ!?なんでわかった!?」
「……ノロケ話なのね……」

また(さっきとは違う意味で)溜め息をつくアリアをなだめるミリナ。

「……これ……」

左手を差し出すミリナ。

「何、手相でも良かったの?」
「違うよ! ねぇ、本当は気付いてるんじゃないの、ねぇ!?」
「はいはい、分かってるわよ。……この指輪でしょ? 何、いつの間にか結婚してたの? 何で式に呼んでくれたなかったの? 親御さんに反対されたから? それとももう子供も作って……」
「違うわっ! 指輪についての話題だけどそれ以外は全部違うわっ!」
「分かってるわよ。リア充爆ぜろとか思っただけよ」

ミリナもミリナだが、アリアもアリアである。

「これは婚約指輪!」
「……へぇ? どっちから?」
「私がそんな恥ずかしいことできるわけないでしょ! ……あ、あっちの方から昨日、渡してくれたの……」

声が小さくなって、カァァ、と真っ赤になるミリナ。

「……そっか。よかったね、ミリナ」

優しく笑うアリア。そこにはどこか、寂しげな影も感じられた。
親友なだけあって、それに気付くミリナ。

「ん? どうかしたの、アリア」
「……ううん、何でもないわ。……ただ……」
「ただ……?」





「私、本当に独りになっちゃうな、って」





独り言のように呟くと、ニッコリとミリナに笑いかけるアリア。

「私の分まで幸せになってよ? じゃないと許さないからね?」
「……」

急に俯いて黙り込むミリナ。

「……? ミリナ、どうかし……」
「独りになんかにしないっ!!!!!!」
「!」

肩を震わせ、怒ったように叫ぶミリナ。

「アリアを独りになんかにしないっ! 将来私が結婚しても、それは変わらない!」
「み、ミリナ……? 声が大き……」














「私とミリナは、たとえ私が死んでも親友だからッッ!!!!!!!!!!!」













「……ッッ……!」

怒りのせいか、それ以外の感情のせいか。
ミリナの目には涙が浮かんでいた。

「……死人と親友なんて嫌だよ」

泣きそうな顔で、でも嬉しそうな顔で笑うアリア。







「ありがとう」







いつの間にか、二人は抱き合って泣いていた。



——それから数週間後。

「……あれ、また連絡取れない。ミリナ、忙しいのかな……?」

不思議そうにerrorが表示された画面を見つめるアリア。

「……ま、いっか。しばらくしたら繋がるでしょ」

画面を閉じると、鼻歌を歌いながら町の中を歩くミリナ。






——もうミリナが鼻歌すら歌えなくなった、ということをアリアが知るのは、それから2年後のことである。


〜END〜