コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 私は臨時ドS執事に一目惚れをした。 ( No.23 )
- 日時: 2013/08/04 11:51
- 名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: gYu/uyWc)
第6話『ありがたき幸せ。』
リク:上がりでございます。では、そのかけ金をいただきましょう。
オッサン:くっそ〜〜〜!このガキ、超強い!
鈴蘭:リク・・・・・・、ルールわかってきた。次・・・私がやる。
リク:ダメですよ。鈴蘭さんまだ未成年ですからこういうことは・・・
ジャラジャラジャラ。さて、土方リクは何をしているかお分かりになるでしょうか?多分わかるだろう。『麻雀』だ。
オッサン:チクショー・・・このガキ超強ぇ・・・次こそ・・・・・・
神奈:何やってんだコルァ!
と言って神奈は土方を見つけて、頭を引っぱたいた。
リク:お嬢様。痛いです。ていうかなぜここにいることわかったんですか?
神奈:木戸からこういう暇になったときはいつも麻雀で金を荒稼ぎするって聞いてたのよ!アホ!執事が賭け事とは何事よ!ていうか賭博は犯罪でしょうが!
リク:違いますよお嬢様。かけ金ってこれのことですよ。
と言って神奈にある紙を見せた。その紙にはこの小説では載せられないようなおじさんたちの弱みが書いてあった。
神奈:は?
リク:麻雀で負けた者は勝った者に自分の恥っずかし〜〜弱みを教えるというルールでございます。賭け事は賭け事でもお金は賭けてないので犯罪ではございませんよ。
神奈:何やってんのよ!ていうか、おじさんたちも何やってんのよ!
おじさん:いや、だって土方くん全然弱み見せないんだもん。麻雀やってなくても知らずと弱み握られてるんだよ?1回くらい勝って弱みを知りたいよ。それより君、すっごい綺麗なドレス着てるね。お金持ち?ちょっと麻雀してかない?
神奈:ダメなオッサンだ!完全にダメなオッサンだよ!つーかお金賭けたら犯罪だって言ったでしょうが!
リク:で、お嬢様は何をしに来たのでございますか?もうお嬢様は私をクビにしたのでしょう?
やっと本題に戻った。土方くんは本当にツッコミどころ満載だから話がそれるのは仕方あるまい。
神奈:アンタのこと、木戸から聞いたのよ。お父さんが孤児だったあなたを引き取って執事に育てたって。
リク:・・・木戸さんが。余計なこと言ってくれましたね、全く。
神奈:なんで余計なことなのよ。アンタのこと知っちゃいけないっての?
リク:この話をすると皆同情するのです。同情されるということは私にとって弱みをさらけ出しているも同然なのでございます。で、それを知ってお嬢様は同情でもして私を連れ戻しに来たのでございますか?
神奈:そんなんじゃないわよ!ただ・・・真意を知りたかっただけよ。最後の言葉、本当だったの?その・・・
リク:ああ、『大好き』ってやつですか?
神奈は顔を真っ赤にした。
リク:マジでございますよ。主は命を懸けて護り通すもの。ここで愛などなかったら命なんて投げ出せませんよ。
鈴蘭:それは・・・私も同じ。
鈴蘭も話し出した。
鈴蘭:命を懸けて護る。それが私の仕事・・・・・・。常に危険と隣り合わせ。いえ、あなたを危険から遠ざける、つまり私自ら危険に近寄る。何の感情なしにやっていたら・・・人間では・・・ない。
リク:鈴蘭は自ら危険に近寄りあなたを護るのが仕事。私の仕事はお嬢様、あなたを命懸けで立派な淑女に育てることでございますよ。
そのリクの微笑みはいつもの不敵な笑みとは違った。とても優しい笑みだった。
鈴蘭の方は相変わらず無表情だったが、それでも以前に比べたら少し表情が緩んでいるように見えた。
この2人は確かにやり方は滅茶苦茶だった。けど、思い返せば2人はちゃんと私に尽くしてくれていたんだな・・・
神奈:・・・・・・帰るわよ。
リク:と、申しますと?
神奈:クビは撤回よ。だけど次私にドS行為してみなさい。本当にクビにするからね。
リク:ありがたき幸せ。
鈴蘭:お人好しね、お嬢様。
リク:そこがお嬢様のいいところであり、扱いやすいところでもありますよ。フフフ・・・
さっきの優しい笑みが気が付いたらいつもの不敵な笑みに変わっていた。やはりその笑みこそ土方リクらしい笑顔なのである。
続く