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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【逆ハー万歳!】貴方に愛されたい僕とハナミズキ。 ( No.4 )
- 日時: 2013/07/28 20:26
- 名前: 夕紀 ◆8HAMY6FOAU (ID: ymYDaoPE)
4.
「……で、ここが最後のリビングルームだよ」
「つ、かれた……」
隆弘に洋館の案内をしてもらって20分。
共同使用のバスルームやらキッチンやら庭やらなんやらとまわっていると、もう太陽は高くよぼり、昼をすぎていた。
「あははっ、じゃあご飯にしようよ!俺、作るからさ!」
「え、マジか!!」
隆弘は見かけによらず料理の腕はあたしの母さんより上だ。
料理が自慢の母さんよりうまいとなると相当だろうとあたしは思う。
隆弘がリビングの扉を開けて中に入る。
あたしも続けて入ろうとすると……
「……隆弘。……お腹すいた」
そんな声が聞こえてきた。
「あ……未來。帰ってきてたのか……」
「うん……お腹すいて」
ひょこり、と隆弘の背中から顔を出すと彼と目があった。
「……誰?」
純粋に問いかけるような声音。
あたしは息を飲んだ。
彼の小さいけどよく通る声。
薄い栗色の髪の毛は軽そうで、男の人としては長かった。
白い肌は透き通るようで、華奢な身体はとても弱々しく見える。
そして、瞳の色。
まるで、この街の海のような色のコバルトブルー。
少したれ目で、睫毛が長い。
彼は、とても綺麗だった。
「あぁ、えっと。俺の従姉妹で櫻井 樹。今日から一緒に住むんだよ」
「……あぁ。隆弘の初こ……」
「ばっ!!お前!!」
隆弘が彼……奈内 未來くんの口を慌てて抑えた。
そして、奈内くんを部屋のすみにつれていくとコソコソとあたしのほうをちょくちょく見ながら何かを話した。
なんなんだよ。
じとーっと二人を見つめていると、しばらくして奈内くんがあたしのほうへ歩いてきた。
「奈内 未來……。よろしく、樹」
いきなり、呼び捨てか!!?
「よ、よろしく。奈内くん……」
「……うん」
ゆっくりと彼は頷いた。
そして、何故か頭を抱える隆弘に向かって言った。
「隆弘……ご飯」
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