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Re: こちら藤沢家四兄妹 ( No.22 )
日時: 2013/08/09 15:30
名前: 和泉 (ID: BdPlSccL)  



♯9「長男と藤沢家の晩餐」

ただいまー、の声に、母さんにしがみついてはしゃいでいた双子が思い切り振り向いた。

綺麗な透き通る声。

我が家の女王様のお帰りだ。


「リカ姉お帰りー!!」

「りっちゃんおかえりなさーい」


母さんと双子がリビングのドアの方に声をかける。
がちゃりと開いたドアから、顔を出したリカは

「ただいま。
はい、たぶんいらないだろうけど土産。」

そういって、花束を抱いた父さんを室内に放り投げた。

………え、父さん?


「父さぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!?」

俺、思わずシャウト。
なんでリカに引きずられてんだあんた!?


「そこで会ったのよ。うざかったから折り畳んで持って帰ってきた」

「自分の父親折り畳むな!!しかも理由がうざいからって!!」

花束を抱いてぐったりしてる父さん。

くっ…、俺は、あんたの勇姿を忘れないからな!!

そんなぐったりした父さんにとことこと近づいた母さんは、リカを見上げてにっこり笑った。


「あらあら、りっちゃん。
殺しちゃダメよって言ったじゃない」


お母様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?
そういやさっき、リカに電話してましたねあなた!!

「かなめくんも、りっちゃん困らせちゃダメじゃない。ねぇ?」

「うぅ〜、涼子さぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

にこにこしてる母さんと、がばあっと母さんに抱きつく父さん。
そして花束がぐちゃぐちゃにならないよう、慌てて回収する俺。

「あらあら、なっちゃんが冷麺作ってくれたわよ?」
「食べる、食べるけどリカがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「りっちゃんがどうしたの〜?」

「大人の階段登ってるぅぅぅぅぅ!!!!!」


あんたは大人の階段駈け降りてんな。
ってか大人の階段って一体何があった。
考える俺を放置し、母はさらりと一言。


「んー、りっちゃん。
まだ朝帰りはダメよ?」


ちょっとまて母さん。
それ中学生に言うことばじゃねぇ。


そこんとこどうなの?とリカに視線を向けてみる。
彼氏がいたと言う話は、俺は聞いたことがない。

そんな話の中心にいるリカはというと、呆れた目でひらひらと手を振った。

「違うわよ。ただのクラスメイト。そこのはやとちりしたおっさんが悪いのよ。
ほら母さんから離れなさいよ、さっさと。あたしは冷麺が食べたい」


はい、女王様は健在でした。