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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: こちら藤沢家四兄妹 ( No.5 )
- 日時: 2013/08/08 14:55
- 名前: 和泉 (ID: ZFblzpHM)
#3「おまけ、リカちゃんとナツ君のその後」
「ナツ兄、双子寝たの?」
「おう、ぐっすり。お前は勉強はかどったかー」
「そこそこね。ありがとう、世話押し付けちゃって」
勉強が一段落したらしいリカが、様子を見に部屋に入ってきた。
双子の髪をなでる手つきは、ひどく優しい。
「アヤが気にしてたぞー。リカ姉に嫌われたんじゃないかって」
それとなく伝えてみると、リカはふわりとほほ笑んだ。
「あら、そんなことないのに。
あの程度で妹本気で嫌うほど、あたし器小さくないもの」
「でもお前鬼のような顔してたじゃねえか」
俺ですらビビったぞ、一瞬。
呆れ顔でそうつぶやけば、リカはさらりと一言。
「刷り込みよ。」
「え」
「これで金輪際あたしの勉強中にやつらが騒ぎ倒すこともないでしょ。
勉強を邪魔したらあたしは怒る、怒ったあたしは怖いってもう頭に入ったんじゃない?」
なにこの子こわい。
「でも、必要以上に怖がらせちゃったのね。
あとでなんか埋め合わせしとくわ。ごめんね」
リカはそう言って、部屋を出ていった。
さてその後、夕食後に埋め合わせならぬリカ特製ゼリーを食べた双子は見る見るうちに機嫌を直し、またリカ姉リカ姉とリカの後ろをコガモのように付きまとっていた。
飴と鞭、という言葉の実例を、初めて目の当たりにした俺だった。
俺、一生リカに敵わないような気がするのはなんでだろう。
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