コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: こちら藤沢家四兄妹 ( No.7 )
- 日時: 2013/08/08 16:37
- 名前: 和泉 (ID: lTRb9CJl)
ちゅんちゅんがちゅんさん
ありがとうございます。
和泉はただいま夏休みにつき暇なので、突然大量更新したりしますが、あんまり気にせず生ぬるい目で見ていてください。
次はリカちゃんのターンです。
♯4「冷血長女の日常」
うるさい。
蝉もうるさい、もちろんだ。
しかしそれ以上にうるさい(うざい)やつが、私の隣に存在している。
「ねぇねぇ藤沢さん。藤沢さんはたい焼きはどこから食べる派?
俺は頭かなぁ。藤沢さんはしっぽから?いやいや、お腹から?」
「いっぺんその口ふさいでやろうかしら」
「藤沢さんが俺の口ふさいでくれるの!?どうやって!?」
「喜んでんじゃないわよドM。その口にたい焼き百個つめこんでやるから」
「やだー、ワイルドー。てかそんなのされたら俺死んじゃう」
私、藤沢リカは現在塾の自習室で勉強中だ。
だって私は天下の受験生だし、家にいたら双子軍団がうるさくて集中できない。
だから集中して勉強するために、わざわざ塾まで来たのだ。それなのに、なぜこいつがここにいる!!
「え、藤沢さんが大好きだからに決まってんじゃん」
「…………」
「そんな汚いものを見るような目されても、俺の気持ちは変わんないよー」
変わりやがれ。
私の隣にいるのは、日下部音弥。オトヤ、とよく友達には呼ばれている。
サッカー部エースで、まあそこそこかっこいい方。
そんなやつが去年の春、何を思ってか私に告白してきた。
『藤沢さん!!好きです!!俺を彼氏にしてください!!』
『だが断る』
きっちり断った。断ったのにも関わらず、こいつは諦めなかった。
私の通っている塾を調べあげ、その一月後には入塾し、私の隣の席でにこにこしていた。
クリスマスにはお手製のクッキーを私の靴箱に忍ばせ、バレンタインにはお手製のチョコレートを手渡し。なにそれ女子力高い。
そしてやつに告白されて一年ちょっと。
やつは今も私の隣に居座り、しかもどこから聞き付けたのか志望校の高校まで同じだと言う。
もはやストーカーだ。
裁判起こしたら確実に勝てる自信がある。
私はふうっとため息をついた。
「日下部くんはさ、」
隣でようやく静かに数学のワークを解き出した彼に問いかける。
「どうして私なの?もうそろそろ告白して一年よ。脈ナシだって十分わかってるでしょ。そろそろ諦めなさいよ」
ひどい言葉だと、思う。
でも日下部は特に傷ついた様子もなく。
「んー、それは僕の勝手だよね」
さらりとそう返しやがった。
そのままにこにこと日下部が言う。
「生憎と、俺は皮肉屋で冷たくて超ドSで、でもすごく優しくてかわいい藤沢さんに惚れ込んでるから、そうそう簡単には諦めないよ」
「…………!!!」
ああ、もうこいつどうしてやろうか。
とりあえず。
「やだやだやだちょっと待って藤沢さん、椅子はヤバイ椅子はヤバイって!!」
「逝ってらっしゃい」
「逝きません!!」
殴っとこう。