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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【短編集】愛しい貴方との恋模様。 ( No.12 )
- 日時: 2013/10/14 19:27
- 名前: 八田 きいち。 ◆8HAMY6FOAU (ID: t18iQb5n)
君の笑顔が見たいだけなんです。
「安藤くん、バーーーん!!」
「…………なに。鈴木さん」
突然、目の前に現れた鼻眼鏡を装着した少女に少年は瞬き一つせずに言った。
「可笑しい?あたしって可笑しい??」
「その質問はいろいろとあれだけど」
自分を指差しながら少女、鈴木はにこにこ笑いながら言った。
それに少年、安藤は無表情のまま読んでいた本にまた目を落とす。
ガヤガヤと賑わうお昼休みの教室。
いつものように鈴木は安藤のもとへやってきていた。
彼女の目的は無表情少年、安藤。
「あー、今回もダメかーー!」
残念そうに肩を落とす鈴木を見て、安藤は口を開いた。
「もう、諦めたら。僕が笑うなんてに等しいんだけど」
「あ、安藤くん!それは言っちゃいけねーよ?!」
そう、鈴木は安藤の笑った顔が見たいという情熱で到底笑そうもないギャグ(?)をかましに昼休みに安藤の元を訪れているのだ。
「……どうして、笑わないのかなー?」
「さあ」
「面白いギャグでも笑わないしー」
「鈴木さんのギャグはギャグっていわないよ、普通の人でも笑わないよ」
「なっ、悶絶沸騰もんじゃないですか?!」
ほら、ごらんなさいよ。この鼻眼鏡を!と言ってまた鼻眼鏡を装着する。
面白いというよりなんか馬鹿っぽくて呆れる。
「……なんで、そんなにさ」
「うん?」
「僕なんかの笑った顔が見たいの?」
「……」
ずっと聞きたかった。
安藤は鈴木の顔をじぃと見つめる。
鈴木は少しだけキョトンとしてから、
また、いつもの笑顔になった。
「だってさ!好きな人の笑顔って見たいじゃん!」
僕は少し笑ってしまった。
……萌えない(;´Д`)
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