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第四十七話『彼女の発言』


「……っはぁ、はぁ……」


ひたすら走って、走って。
私は足を止め、呼吸を整える。
……こんな夜に寒空の下で、私は一体何をしているんだろう。


一度だけ振り返り、そしてもう一度前を向く。
孝仁が、追いかけてくるはずなんてない。


私はいつまで、甘い期待を抱いているんだろう。


「……はぁ」


小さく溜息をつき、再び足を動かす。
家までの道のりは、まだまだ遠い。
私は携帯を開き、今流行りのメール代わりの機能の『LINE』のページを見る。


そういえば、今日の打ち上げでクラスのLINEグループに誘われたんだ。
私はそこのグループのページを開いた。


それを見ると、みんな『打ち上げお疲れ様』みたいに盛り上がってて——。
孝仁と美紀ちゃんもその輪に入っていたが、二人だけの世界になっていた。


光景を見た後は、文章でも現実を見なきゃいけないのか……。
私の気分が重くなるのと同時に、





























『孝仁くん、ホテル行こうぜ』




























突然、美紀ちゃんがそんな発言をし始めた。











































とりあえず、いきなりすぎる大胆発言に——。
私の開いた口は、塞がらない。


ホテルって、うん。
やっぱ、カップルだから、うん。
ラブがついちゃう方ですよね、うん。


そしてそれを誘うのは孝仁じゃなくて、まさかの美紀ちゃん。
あの美紀ちゃんがまさかこんなこと言うとは、思ってもいなかった。


『勝手にいってろ』


文哉が美紀ちゃんの発言に対し、こう返す。
それにすぐ、美紀ちゃんの返事が返ってきた。