コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *涙恋華*(実話) 50話更新! ( No.120 )
- 日時: 2014/02/22 14:24
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: ykFYs.DE)
- 参照: 大好きって言いたいだけ
第五十五話『犯人捜し』
「——……んー……」
目を覚ますと、次の日の昼過ぎで。
私は寝ぼけた目で握りしめたままだった携帯を顔の前で持ってきて、ボタンを押す。
すると、
「……え」
クラスグループのLINEの通知が溜まっているのと同時に、
『起きてるべ』
孝仁から、そんなLINEが来ていた。
「……えええ?」
訳がわからないまま孝仁のLINEのページを開くと、
『あれま、ごめん勘違い』
そう書かれていた。
時間をみれば朝方だし、勘違いって……。
そう思いながらクラスのLINEを見ると、朝方に『既読がついてるのに返事しない人がいるから犯人探ししよう』みたいな会話を、孝仁と文哉がしていた。
……LINEが来た理由は、これか。
「……はぁ」
少しでも期待した私は、馬鹿だ。
とりあえず私は何も返さず、孝仁をスルーして携帯を置いた。
**
連絡が来ても、もう関係ない。
私には、何も関係ないことだ。
そう思っていたが——。
『昨日オールしてた?』
夕方。
のんきに音楽を聴いていたときに、再び孝仁からそんなLINEが来た。
……してないってば、いつまで犯人探ししてるんだ。
私はそう思いながらもう一度クラスのLINEを見ると、犯人は既に見つかっていた。
……じゃあなんで、もう一度私に……?
『してないよ(笑)
途中で寝た』
とりあえず私は、そう返す。
するとすぐに、孝仁から返事が来る。
『あれま、わかった
サンキュー』
……『あれま』が口癖なのか。
また新たな孝仁を発見してしまったみたいで、悔しい。
「……っだああああ!!!!」
私はそう叫び、心を無にして孝仁をスルーした。
そのままもう一度クラスのLINEの方を見ると、
『バイトなう』
孝仁がそんな言葉を発していて。
——バイトなのに、わざわざ私にLINEを送ってきてくれたなんて……。
付き合ってた時と、変わってない。
それがなんだか嬉しくて——。
勘違いでも、自意識過剰でも構わない。
やっぱり孝仁は、なんだかんだ優しい孝仁のままなんだって思えた。