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Re: *涙恋華*(実話) 50話更新! ( No.127 )
日時: 2014/03/15 15:14
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: ChKdbj6w)
参照: 大好きって言いたいだけ

第五十七話『あゆVS美紀』


——あゆが行動をし始めてから、数十分後。


『おまたせ、実況します』


そう言ってあゆは美紀ちゃんとのLINEのやりとりを、俗に言うスクリーンショットでグループのとこに載せていった。


私はガラケーながらも追いつけるように、急いでスクリーンショットに目を移す。
最初のあゆのLINEの始まり方は、クラス会のバイキング店の時からの話だった。
あゆはあの時からイライラしていたし、やっぱそこから話は始まるよなぁ……。


そう思いながら、書いてある二人のやりとりを見ていった。


『美紀さ、
バイキングの時に依麻いたの知ってた?』

『うん、知ってたよ』

『依麻の前で孝仁と写真撮れて楽しかった?』

『うん、撮ったよ!』

『撮ったよ! じゃねぇよ』


落ち着けあゆ。
……っていっても、あゆは止まらないだろう。
私はハラハラとドキドキと嬉しさが入り混じりながら、あゆと美紀ちゃんの内容に目を通す。


『嬉しそうにしか聞こえないね。
本当は依麻に悪いことしたなんて思ってないんでしょ?』

『てかなんでお前がいうの?
嬉しそうってか、悪いと思ってる』


「……え」


あゆに対しての美紀ちゃんの返しに、私は思わず声を漏らす。
美紀ちゃんがこんな言葉使いをするなんて……!!


『依麻の友達だからだよ。
外じゃ駄目? とかお願いできただろ。
美紀のLINEの一言も作者見てるんだよ。
それ見て依麻、泣いたんだよ』


あゆが私のためにここまで言ってくれたのに、私は嬉しくて携帯の握る力が強くなる。
思わず感情が高ぶって涙が出そうになったが、気を引き締めてもう一度スクリーンショットの内容へと目を移した。


そして、


『みっきが気使ってないっていうけど
依麻辛くてすぐ泣くしょ、
あれ正直辛い、目の前で泣いて』


美紀ちゃんのこの言葉に、私は目を見開いた。



そりゃあ、私が泣いてしまうのは事実だ。
だけどこっちも好きで泣いてる訳じゃないし……。


なんで私がすぐ泣く弱い女みたいに、美紀ちゃんに言われなきゃならないんだ。


『実際辛いの依麻だから。
そう思ってるならさ、
なんでLINEとかに色々書くの?』

『みっきにどこにもつぶやくなって?
嬉しいことも悲しいことも全部我慢しろって?
みっきが依麻のために我慢すればいいんでしょ
みっきが幸せになれないじゃん
依麻が孝仁のこと好きなの知ってる、
辛くて泣いてるのわかる

でも依麻が泣いていいわけないよ』


私は別に、美紀ちゃんに我慢してほしい訳じゃない。
ただ、場所や場合をわきまえてほしい。
周りの気持ちを、少しは考えて行動してほしい。


少しくらい、デリカシーを持ってほしいだけだ。


『誰がそんなこといったよ?
依麻がいるとこでそーゆーのやるなって言ってんの。
誰が我慢すれなんて言ってんの?』

『そういう風に聞こえた。
みっき、依麻と話した方がいいかもね』

『依麻と話して何になるの?』


確かに、話した方がいいかもしれない。
だけど話したところで、どうにかなる訳じゃない。
孝仁がもう一度私に振り向いてくれる訳でも、美紀ちゃんと孝仁が別れる訳でも、みんな幸せになるわけでもない。
そして私が思っていることを全部言ったとしても、所詮元カノ。
元カノが、今の彼女の恋愛に首を突っ込むな。


そんな言葉で、片付けられるだけなんだ。