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Re: *涙恋華*(実話) 61話更新! ( No.138 )
日時: 2014/03/20 15:47
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 5gZrZwZo)
参照: 大好きって言いたいだけ

第六十三話『由良VS孝仁』


「もしもし?」
≪依麻? 孝仁と電話してきたよ≫


由良はそう言い、孝仁との電話の内容を一つずつ説明してくれた。
話の内容は、まず由良が美紀ちゃんの話をしたとのこと。
すると孝仁は、由良より先に美紀ちゃんから今の状態の事を聞いていたみたいだった。


≪それなら話が早いって思って、色々孝仁から話を聞いたんだよね。そしたら、最終的に依麻の話になったの≫
「え?」


私の話?
私は思わず電話を握る力が強まりながらも、由良の話に耳を傾けた。


≪なんか、いきなり孝仁が『俺、依麻とLINEしたよ、頑張った』って自慢してきた≫
「へ」


私とLINE——……。
あの犯人捜しのLINEの時か。


≪それで、『なんで俺が依麻と別れたか知ってる?』って言われて≫
「うん」
≪『依麻に嘘つかれたんだよ? 俺』って言ってた≫


嘘……は、祭のことか。
嘘というか……いや、確かに孝仁に言わないで男子と祭に行ったさ。
でもそれは由良もいたし、他の男子もいたし二人きりではないわけだし、謝ったけれども——。
でもやっぱり、今でも孝仁は根に持ってたのか。


≪なんか孝仁、『一言言ってくれたらよかったのに、小八に祭のこと聞いて俺は浮気だと認識した』って≫


浮気。
私としてはそういうつもりはなかったんだけれども——。
孝仁にしてみては、そう見えたんだろう。


≪だから私がね、『男子からしつこく誘ってきて、私がその時フリーだったから断れなくて依麻まで巻き込んじゃったんだよね』って説明したのさ≫
「え、かばってくれたの?」
≪だってそんな感じじゃない?≫


由良はそう言い、笑う。
ちゃんと言わなかった私が悪いのに、かばってくれるなんて……。


≪そうしたら、『もっと早く言えよ』って孝仁に怒られた≫
「え、ごめん私のせいで……」
≪いや、全然大丈夫。向こうが勝手に浮気って思ってるだけだしさ≫


由良はそう言い、電話越しに爆笑。
それとは裏腹に、私は気が付けば涙を流していて。


私がちゃんとしていれば、今こんなことにはなってなかった。
あゆにも由良にも、迷惑をかけていなかった。
美紀ちゃんともこういう風になっていなかった。


そして何よりも。
孝仁と別れていなかったかもしれない。


ひたすら後悔と罪悪感と自分への苛立ちがこみ上げてきて、胸が痛くなった。


自業自得だ、全部。
本当に、馬鹿だ。


そんな中、笑い終わった由良が一言。


≪なんか孝仁ね、依麻のこと気にしてて見てたら、必ず依麻と目が合うから怖いんだって≫


その言葉に、私の涙が一気に引っ込んだ。


な ん か ス ト − カ − み た く な っ て な い か ?


好きだから見ちゃうのもそうだけどもさ。
同じクラスだから、見たくなくても勝手に視界に入るんだよおおおおお!!!!



≪だから『お前、自意識過剰じゃね』って言ったけど……あはははっ、うける≫
「あ、あは、ありがとう」
≪あ、あとは『美紀と澄長が喧嘩になったのは俺のせいじゃん』とか『俺、美紀と別れた方がいいかな、とか言ってたよ≫


これは孝仁のせいじゃないし、私のせい。
美紀ちゃんとは、別れることなんてしなくていい。


だから私は、すぐに口を開いた。


「別れてほしいとかは思わないし、そこまでは…」
≪でも私は、美紀ちゃんを潰したい≫


由 良 落 ち 着 け


「ゆ、由良……」
≪だってあゆの話聞いてたら本当腹立つし!! 依麻の彼氏とったからって調子乗ってる≫
「ちょ、ゆ、由良、」
≪とりあえず、私は言いたいこと全部孝仁に言ったよ。だから依麻、次は依麻の番。この際だし、依麻もきちんと言った方がいいよ≫


由良のその言葉に、私は一気に目が覚める。
……そうだ、今あゆも美紀ちゃんも戦ってる。
由良と孝仁も戦ってたのに、私だけ。
元凶の私だけが何もしないで見てるだけなんて、おかしい。


みんな私の為に頑張ってくれてるのに。
私は、何をやってるんだろう。


「……ごめん由良、ありがとう。わかった、私もちゃんとする」
≪うん、それでこそ依麻だ! 頑張れ≫
「うん、ありがとう」


そこで由良との電話が終わり、部屋には静寂が広がる。
……私の、馬鹿。
そう心の中で一喝した後、ぼんやりとした思考で携帯を見ると、もう零時を過ぎていた。


グループのLINEを見てみると、まだあゆと美紀ちゃんは戦っていて。
そしてもう一度LINEを更新すると、






































『まだ起きてるか?』






























孝仁から、そんなLINEが来ていた。