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最終話『涙恋華』


『そうだね
私全然強くないよ、
でもそうやって尋子に言われたら凄く嬉しい。
そんな尋子の暖かい言葉、
ほんと泣けてくる(笑)

ありがとうね！
うん、本当長い間ご迷惑かけました。
私からもちゃんと話しておくよ』


そう送り、乱暴に涙を拭う。
泣くな、泣いても何もならない。


そう思っていたけれど、


『いいよ、泣いて。
依麻はただ好きなだけなのに
こんなに周りから言われて
絶対誰より辛いはずだから。

私はこんなことしか
言えないけどね！
文哉黙んなかったらゆって(笑)
黙らせるから(笑)』


ただ好きなだけなのに周りから言われる事態になったのは自業自得。
だけどそれを尋子がわかってくれたことが、ただ嬉しくて。


孝仁のこととか、尋子のこととか。
色々な感情が混ざり合って、涙が止まらなかった。


『尋子が私の気持ちを
こうやってわかってくれただけで、
それだけで嬉しいし幸せだよ！

本当にありがとう。
りょうかい(笑)』


私がそう尋子に返事をし、LINEが終わる。


「……はー……」


私の未練タラタラから事態は急変し、あゆと美紀ちゃんの戦いから始まり——。
由良と孝仁、孝仁と私。
そして私と尋子。


色んな人を巻き込み、傷つけたけれど。
こうして、一夜の長い修羅場は終わりを告げた。


まだ時間がかかったとしても、私は孝仁を諦めるんだ。
幸せだった思い出を、思い出しても辛くならないようにする。
孝仁も前を向いてるんだから、私だって前を向く。


そして負けないくらい、幸せになって。
負けないくらい楽しい思い出を、この先つくってみせる。




















——色んな事を学んだ高校一年生、私の恋は終わりを告げた。
雪が溶けて暖かくなったら、きっとまた笑える。


大丈夫。
































もうすぐ、十七度目の春が来る。














































*涙恋華*（ルイレンカ）　END