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Re: *涙恋華*(実話) 7話更新! ( No.26 )
日時: 2013/09/15 00:53
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: g7gck1Ss)
参照: ありがたき幸せを大切に。

第八話『気付かされること』


そして、気付かされることはそれだけじゃない。


**


放課後。
もう雪が積もっているということで、最近の私はバス通学していた。
今日もいつものように、学校の近くのバス停へ向かって居た時——。


「——あ、依麻」
「え、陽子?」


バス停には、陽子が居て。
いつも、ここのバス停に陽子はいない。
陽子の前を見れば友達がいるから、どこか遊びに行くんだな……と私は悟る。


「依麻いつもここのバスなの?」
「うん、陽子がいるの珍しいからなんか新鮮」
「バイト先にご飯食べに行くんだよね」


陽子はそう言いながら笑みを浮かべる。
陽子のバイト先は、駅から近い飲食店。
あぁ、なるほど……と私は小さく頷いた。


「——……で、昨日さ——」


そこで、後ろから聞こえてくる声。
私の思考回路が一気にハッキリし、慌てて後ろを振り向く。


「……あ」


思わず、声が漏れる。
……やっぱり、予想的中だ。
































後ろに、孝仁がいる。


































孝仁はハチと居て。
……孝仁も、ここのバス停なんだ……。
私は少しだけドキッとしてしまい、慌てて前を向く。


「——ちょ、やっぱ可愛くね? ね、可愛くね?」


そんな私とは正反対に、後ろから聞こえる孝仁の声。
……きっと、陽子の事だ。
ううん、きっとじゃない。絶対。


陽子、私、ハチ、孝仁という順番で並んでいるバス停。
不思議かつ気まずい絵面に対し、いつも遅れてくるで有名のバスが時間通りに来た。
……助かります、バスさん。
私はそんな気分で、逃げるように乗車した。


「……はぁ……」


私は一番後ろの座席に座り、溜息。
そんな私の前の席には陽子。
そして、孝仁たちは一番前に座っていた。


席が離れているから、安心。
安心、だけれど——。
孝仁が陽子のこと可愛いって言ってるのは確かだし……。
あぁもう、私はもう彼女じゃないのに——……。


そんなモヤモヤとした思考の中、バスは駅の近くに近付いていて。
陽子のバイト先前のバス停でバスは止まり、陽子は立ち上がる。


——同時に、孝仁も立ち上がって。


「……え」


私は、思わず三度見。
……もしかして、孝仁と陽子……。
降りるところ一緒?


そこで、私の思考回路が働く。
陽子のバイト先は、ここで。
ここの近くに孝仁の家があって——。


……なるほど。
降りるところ、一緒だわ。


思考回路が繋がり、気が付けば孝仁たちは先に降りていた。
そこで私は気づかれないように、窓から孝仁たちを見る。


そして、呆然とした。









































孝仁が、外からバスを見て一生懸命陽子を探している。