ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

第十話『嘘の口実』


孝仁が陽子のことを狙っている、という事実をこの目で見た日。
その日から、また一週間が経って——。
私は、孝仁と別れて二週間が経った。


この一週間の間、学校では相変わらず孝仁は陽子の話ばかりだし。
毎回、孝仁と帰りのバスが同じだった。


そこで、私はわかったことがある。
『部活で部長になるから忙しくなる』
孝仁と別れる時、そう言われたけれど——。


別れてから二週間。
この二週間、孝仁が部活行ってるのを見たことがない。


部活とバイトで忙しいといいながらも、部活に行っていないし。
教室でも、遊ぶ話をしていて。
しかもその遊びに行くお店が、陽子のバイト先ばかりで。


つまり、これは口実。
部活とバイトで忙しくなる、なんて嘘。































孝仁は、私と別れたいから嘘の口実をつくったんだ。






























目の前の真実は、あまりにもあからさま過ぎて。
……馬鹿な私でも、わかってしまう。


別れたいなら、素直に『好きじゃない』って言って別れればいいのに。
そんな嘘をついてまで、孝仁は私と別れたかったのだろうか。


そう考えると、やっぱり胸が痛くなった。