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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *涙恋華*(実話) 10話更新! ( No.34 )
- 日時: 2013/09/16 20:17
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: Aw5kQYTw)
- 参照: ありがたき幸せを大切に。
第十二話『最低』
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そのままバレンタインのことで悩み続け、気が付けば四時間目。
「——彼女——……」
孝仁は、相変わらずクラスの男子たちと恋愛っぽい話をしている。
またか……と思い気にしていなかった私だったが、
「女って本当最低だよな」
一人の男子が大きな声でそう言い、教室は静まり返った。
……待て、最低って——。
「——……そういう女って嫌だよね」
「最低最悪じゃん」
孝仁に向かって、男子たちは次々にそう言っている。
……これって、私の事?
そう思いながら耳を傾けていると、
「やめろ、そういう嫌な過去はもう思い出したくない」
孝仁はそう、大きな声で言った。
——そこで、完璧に理解した。
絶対私の事だ。
最低。
そう言われるのは仕方ないかもしれない、けれど——。
でも何より、一番悲しかったのは。
孝仁に『嫌な過去はもう思い出したくない』と言われたのが悲しかった。
その言葉は、『私と付き合ってたことを思い出したくない』という解釈にも聞こえたから。
そんなに思い出したくないくらい、私は最低な奴だと思われてるのだろうか——。
私は孝仁にそんな事を思われるために、付き合ってた訳じゃないのに。
そう考えると、どんどん涙が溢れて止まらなくなってきて。
あぁ、もう泣きたくなんかなかったのに——。
私は授業中にも関わらず、俯いたまま泣いてしまった。
「——……ちょ、バレてるじゃん」
「先に言ったの孝仁じゃん」
私の方向を見ながら、そんな会話が聞こえてくる。
……やっぱり、私の事なんじゃないか。
自業自得。
自分が蒔いた種、なのに——。
どうして、涙が止まらないんだろう。
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