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- Re: *涙恋華*(実話) 18話更新! ( No.53 )
- 日時: 2013/09/21 14:18
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: IS3fXoEU)
- 参照: ありがたき幸せを大切に。
第二十一話『止まらない涙』
私がいくら悩んでも泣いても、美紀ちゃんと孝仁が困るだけ。
うっとうしいだけなのに、悲しみが止まらなくて。
わかってる、全部。
ただ私が勝手に悩んでるだけだし、あとは私の気持ち次第なんだ。
もう笑顔をつくることすらできなくなっていて。
授業中にも関わらず、私は俯いて一人泣いていた。
……こんなことしてても、何も変わらないのになぁ……。
そんな風に自己嫌悪を抱いていると、
「——依麻」
後ろから声が聞こえてきて、私は振り返る。
見れば、私の斜め後ろの席のあゆが小さく笑って下を指差した。
「……下?」
「依麻、LINE見て」
あゆはそう言い、もう一度笑みを浮かべた。
私は涙を拭いながら、LINEを開く。
『さっきからずっと泣いてるけどなしたよ』
あゆからの、心配LINE。
私、周りの子にも心配かけている。
無理矢理にでも笑顔をつくって、早く泣き止まなきゃいけないのに——。
私は長文になりながらも、孝仁のこと——。
そして、昨日の美紀ちゃんとのメールの事をあゆに説明した。
周りから見たら、くだらないこと。
昨日の今日だし、周りには誰にも相談していなかったけれど——。
私はとりあえず泣き止もうと、ひたすら涙を拭った。
**
大分涙も乾いてきた、数分後——。
あゆから、返事が返ってきた。
『あー、そーゆー感じか〜。
わかるよ、その気持ち。
依麻偉いよ。
依麻良い奴だよ。
普通は美紀のこと恨みたくなるだろうし、怒りたくもなるよ。
でもちゃんと美紀と孝仁が両思いだっていう事実を素直に受け止めてさ、
実際すごい依麻辛いと思う。
よく我慢できたね。
依麻は良い奴だから
多分これから先に絶対に孝仁のこと忘れられるくらいの人見つかるよ。
泣いた今日は先の喜びのためにあるんだから。
でもね、今は泣いてもいいよ。
辛いこと我慢できるほど人間なんて強くないんだよ。
好きなだけ泣いてそれ以上に笑っちゃえ!』
授業中なのに、私のためにわざわざこんなに長文で。
暖かい言葉をくれて。
「……っ」
涙は乾いたはずなのに、この文章を見てもう一度涙が溢れてきた。
「……っあゆぅう」
私は授業中にも関わらず、あゆの方を見てボロ泣き。
きっと今の私の顔は酷いんだろうけれど、もうそんなことどうでもよくて。
そんな私に対し、あゆは優しい笑顔を私に向けてくれた。
「依麻がこんなに辛いのにさ。受け止める人がいなかったら誰が依麻を受けとめるの? 辛かったらうちらには辛いって素直にいいなよ」
あゆはそう言い、立ち上がって私の頭を撫でてくれた。
優女すぎる、優しすぎるよあゆ。
「……ごめん」
「謝るな、依麻」
「……っありがとう……」
周りの目なんて、もうどうでもよくて。
自分でもどのくらい泣いたかわからないくらい泣いて。
ひたすら、あゆの暖かさに感謝していた。
この先、私にとって辛い出来事がまだまだ待ち受けているとも知らずに。