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Re: *涙恋華*(実話) 21話更新! ( No.58 )
日時: 2013/09/24 21:42
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: VhCiudjX)
参照: めげないと決めた17歳の秋。

第二十四話『見せつけ』


**


その日の昼休み——。
教室は過疎っていて、私達の仲良しグループ、美紀ちゃんと美紀ちゃんと仲がいい江田尋子しか居なかった。


私達は馬鹿な事をして笑いあい、教室で馬鹿騒ぎをしていたのだが——。
私の位置からだと、黒板の前にいた美紀ちゃんと尋子が視界に入る。
そして美紀ちゃんが、さっきから何度もチラチラとこっちを見てきていた。


だから思い切り黒板の方を見てみると——。
美紀ちゃんと尋子が黒板に何かを書いている。
そこから尋子の書いている文字を見ると、『since0219〜』と書いてあって。
……あ、今日じゃん。
なんてのんきな事を思いながらも、なんとなく嫌な予感がする。


「——美紀も書けた?」
「うん、書けたよ」


美紀ちゃんはそう言い、書いていた手を止める。
私は恐る恐る、美紀ちゃんの書かれている文字を見た。




















『since0218〜』




























その文字を見て、一気に何かが貫いたような気がした。
私が教室にいるって知ってるのに——。
ましてや、さっきからチラチラと私の方を見てきていたんだから、私がここにいるって知ってるはずだ。


……見せつけだと思いたくはないけれど、もしかして……。


そう思っていると今度は、


「記念日、覚えとかなきゃね!」
「うんっ!!」
「ね、美紀! 体育館でうちらの彼氏さー、バスケしてるよね?」
「うん、してるしてるー」
「見に行かない?」
「めっちゃ見に行きたい! いこいこ!」
「よし、じゃあいこっ」


尋子と美紀ちゃんはそう話しながら、教室から出て行った。
……なんだか、わざとらしい大きな声でこの会話をしているように聞こえる。


そう思う私は、捻くれてるのかもしれない。
だけど——……。


黒板に書いた記念日。
わざとらしい声での会話。
LINEの一言。


この三つが重なると、やっぱりどうしても『見せつけ』にしか見えない訳で。


「……あれはやりすぎ」


あゆがポツリとそう言い、私は顔を上げる。
見れば、あゆも真枝も加耶も麻里も黒板の方を見ていた。


もちろん、黒板に書かれた記念日はそのまま残っている。


「あの会話もわざとらしくない?」
「依麻がここに居るのにねー……」


真枝たちはそう言いながら、顔を見合わせる。
皆もそう言ってくれるなんて——。
嬉しくなるのと共に、自分の中の感情が嫌になる。


元々は私が最初に孝仁と付き合って、美紀ちゃんを傷付けたんだし——。
私が悪いし、私が何かを言える立場じゃない。


応援するために耐えなきゃ、いけないんだ。