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第二十五話『嫌な心』


耐えなきゃいけない。
そう自分に言い聞かせていた、次の日。


「美紀、幸せそうだもん」
「もう幸せすぎ」
「いいねぇ〜」


授業中に、そんな会話が聞こえてきた。
私は美紀ちゃんの前の席なので、バッチリと会話が聞こえてくる。


「可愛くなりたい！　めっちゃ可愛くなってみせるんだー」


美紀ちゃんはそう大きな声で言った。
もう可愛いのに、それ以上可愛くなってどうするんだ美紀ちゃんよ。
私はそう思いながら、聞きたくなくても耳に入ってくる話を聞いていた。


昨日の事が頭に浮かぶと、やっぱりどうしてもイライラしちゃう私。
『依麻のこと大事だから傷つけたくない』とか言いつつ、正直私が傷つく言動ばかりだし——。
本当に傷つけたくないって思ってるなら、まずLINEの一言に書かないし、私の前で孝仁の話もしないし、私がいる前で黒板に書いたりしないはずだ。
そう不満が出ちゃうと、キリがなくなっちゃうけれど——。


ただ、デリカシーがないだけかもしれない。
だけどそのデリカシーのなさが、私にとっては嫌だった。


——こう思ってしまうなんて、私は性格が悪い。
応援しなきゃいけないのに、応援出来ない自分。





































そんな自分が、大嫌いだ。