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Re: *涙恋華*(実話) 26話更新! ( No.71 )
日時: 2013/10/10 17:53
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: nMbYaRrD)
参照: むずかしいいいいいいいぜ

第三十話『すれ違いと後悔』


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次の日。
遅刻して昼休みに学校に来た私は、お弁当を食べてる仲良しグループ——……あゆと加耶と真枝と麻里の所へと向かった。



「——お、依麻! おはよー」
「遅いぞー」


四人は私の顔を見て、明るく笑う。
私も笑みを返してから、皆の前に立った。


「……加耶、昨日はメールありがとうね。あゆも真枝も色々ありがとう」
「なんもだよー! 大丈夫?」
「大丈夫だよ〜」


昨日は、受け入れたくない現実を見てしまった。
それで泣くことしか出来ない私に対し、友達の温かさをもらった訳で——。
私は、本当にみんなに感謝の気持ちでいっぱいだ。


「ほら、依麻も早くお弁当食べよ」
「うん」


私はそう言われ、鞄の中からお弁当を出そうとした。
……そして、その時に気付いた。











































孝仁たちが、こっちをチラチラ見てきている。






















































自意識過剰、だとは思いたいけれど——。
明らかに奴らは、私を見ている。


私はそれを無視し、気にしないような態度で、


「あー、お腹すいた!」


そうなるべく明るく笑った。
しかし孝仁たちが見ていることに気付いたのか、


「……依麻、ちょっといい?」


加耶が私の制服のブレザーの裾を掴んできた。
私は加耶に連れ去られ、そのまま廊下へと向かう。
そして加耶は廊下を見回し、私の耳元で一言。


「……授業中ね、孝仁たちが依麻のことで何か言ってたよ」
「……え」


驚きの声が漏れながらも、私は加耶を見た。
……もう、嫌な予感しかしない。
どうせまた「キモい」とか「最低女」とか、そんなあれなんだろうな……。


「……大体予想は出来るけれど……。なんて言ってたの?」


私は小さくうなだれながらも、加耶に対してそう呟く。
加耶は少し言いづらそうにしながらも、ゆっくりと口を開いてくれた。


「……あのね、授業中に何か男子たちがコソコソし始めて、孝仁が『三ヶ月まで続いて』とか言い始めたから、依麻のことかと思って耳を傾けてみたんだよね」
「うん」
「そうしたら『夏祭りに他の男と祭行ってそれで俺は嫌になった』って事を言ってて——……」
「え」


やっぱり、孝仁はまだ夏祭りの事を根にもっているのか……。
あの時は本当に私は悪いことしたと思っているし、孝仁もここまで根にもたないって思っていた。
私があの時、ちゃんと一から細かく理由などを言わないでいたから今最終的にこうなっている訳で——。


復縁出来たからって私が勝手に喜んでいただけ。
孝仁は、あの時のことを許してなんかいなかったんだ。
孝仁からしたら『私が浮気した』と思ってるんだろうな……。
私はもちろん『浮気』だなんて思っていないけれど、孝仁を傷付けたのは事実。


私のつまらない意地とやきもちとくだらない嫉妬から始まったこと。
ちゃんと一から理由話してたら、別れるまで行かなかったかもだし——。
今、こうなることもなかったんだ。


なんて、遅すぎる後悔がまた込み上げてくる。


孝仁は、あの時までちゃんと私を好きでいてくれた。
夏祭りの後、一回別れかけた時に——。
孝仁から『別れたくない』って言ってくれたのに。


大好きだったのに、手放したのは紛れもなく私。
だから今更後悔しても遅い。


『あの時こうしてれば』なんて、もう遅いのに。