コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *涙恋華*(実話) 30話更新! ( No.74 )
- 日時: 2013/10/10 20:51
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: nMbYaRrD)
第三十一話『忘れられない思い出』
「……孝仁も、美紀ちゃんと付き合ってるのに未だに依麻の話して色々陰で言って何がしたいんだろうね……」
加耶はそう言い、溜息をつく。
……確かに、加耶の言う通りだ。
現に、今の孝仁の彼女は美紀ちゃん。
なのに今、孝仁はこうやって昔の私の話題を出している。
過去は過去だし孝仁は今があるんだから、
わざわざ私の話なんて出さないでほしい。
そう思う反面——……。
恨まれたとしてもまだ話題に出されてるうちは、『まだ私のこと覚えててくれてるん』」なんて嬉しくなっちゃってる自分が居て。
昨日の光景を見て、もう孝仁を思いださないようにしてた。
諦めよう、忘れよう。
そう、思っていた。
だけど孝仁が私との過去を話しているのを聞いたら——。
徐々に孝仁との出来事を、思い出してきちゃって。
泣いてた時に孝仁に話しかけられたこと。
その後すぐに孝仁に告白されたこと。
保留した一週間、ずっとアタックし続けてくれたこと。
孝仁と付き合ってたこと。
孝仁とのメール。
孝仁との電話。
初めて遊んだときのこと。
夏休み、汗だくになりながら大きな坂を超えて孝仁に会いに行ったこと。
ゲームしたりゴロゴロして——。
腕相撲したり、色んな話をして笑いあったこと。
お泊まりしたこと。
お泊まりした時、夜中に外へ出て一ヶ月記念日を迎えたこと。
宿泊学習のこと。
その他にも、いっぱいいっぱい——。
色んな事が、あった。
『大好き』
『信じて』
『ずっと一緒にいような』
赤人が言ってくれたことも全部、気持ち悪いくらいに綺麗に覚えてる。
「……ありがとうね、加耶」
「なんもだよー。また色々聞いたら教えるね」
「うん、ありがとう」
私は加耶にお礼を言い、そのまま教室へと戻る。
その最中も、頭の中は孝仁のことでいっぱいで。
……やっぱり、私。
なんだかんだ言って、忘れられない。
忘れられる訳、ないんだ。