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- Re: *涙恋華*(実話) 30話更新! ( No.79 )
- 日時: 2013/10/20 21:54
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 4SWfsvrw)
- 参照: ごめんね。
第三十五話『どうにもならない事』
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こうして、翔斗のお陰でなんとか授業を笑顔で乗り越える事が出来た。
翔斗には感謝の気持ちでいっぱいだったが——、
「なんかねー、美紀ー」
「うん」
放課後、美紀ちゃんと美紀ちゃんと陽子が私の近くに居て。
内容は詳しくは聞こえないけれど、こそこそと話すその態度からして孝仁の事……のような気がした。
……ううん、『気がした』じゃなくて、
「私の親もね、美紀と孝仁おめでとうって言ってたよーっ」
「やぁー、ありがとう!」
『絶対』孝仁の話な訳で。
周りからも祝福される美紀ちゃん。
笑顔で、幸せそうで——。
「……ちょ、依麻どうしたの!?」
気が付けば、立ち尽くしたまま私は泣いていて。
……実に、情けない光景。
近くに居て心配してくれてる加耶に思わず抱き着いてしまい、そのまま声を殺して泣いた。
「依麻ー……」
いつの間にかあゆや麻里や真枝も私の傍に居て。
……また私は、みんなに迷惑をかけてしまっている。
こんなんじゃ駄目なのに——……。
「……ごめんね、みんな」
私は加耶から離れ、目をこする。
泣くな、私。
そう必死に自分に言い聞かせるのと同時に顔を上げると、美紀ちゃんのグループの女子がこっちを見ていて。
その真ん中にいる美紀ちゃんが、
鋭い目つきで、私の事を睨んでいた。
そりゃあ、美紀ちゃんからすれば私は『邪魔な元カノ』であるわけで。
美紀ちゃんは何も言わないけれど、目では今の彼女は私なんだから早く諦めろ』というのが伝わってきた。
好きなもんは好きなんだからしょうがない。
だけど、諦めなきゃいけない恋。
それでも、ああいう光景見てたらやっぱ胸が痛い。
でもどうしようもないことだし、もう戻ることもない。
孝仁には嫌われまくって終わり。
全部終わったんだよ、もう。
……自分にそう言い聞かせても、やっぱり認めたくない自分がいて。
そんな自分が悔しくて。
美紀ちゃんを見てイライラしてる自分が、憎くて。
どうしようもできないことも、こんなんでもまだ好きな自分も。
全部全部全部、とにかく情けなかった。
泣いてもどうなることじゃないけど、私は泣くことしかできなくて。
クラスのみんなは呆れ顔。
美紀ちゃんグループの女子は『孝仁と美紀の恋愛なんだから依麻が首突っ込む問題じゃない』という感じだし。
だから私の『好き』も閉じ込めなきゃいけない。
泣くことも閉じ込めなきゃいけない。
自業自得なのに、どうしてこんなに悲しんでるんだろうか。
——どうして、私は後悔ばかりしているんだろう。