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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *涙恋華*(実話) 30話更新! ( No.84 )
- 日時: 2013/10/23 17:59
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: Lclzc8Gt)
- 参照: 君が好きなのは僕じゃないだけだ、
第三十六話『3月18日』
後悔ばかりで前に進めない私と、
きちんと新しい幸せを掴んでいる貴方。
**
三月十七日——。
明日で二人は、一ヶ月。
十八日までは、あと五分。
心臓がいつも以上に早すぎて、呼吸が出来なくなる。
……覚悟を、決めなきゃ。
「……」
0時になり、私はぼんやりと携帯を見つめた。
0:00——……。
十八日の、始まり。
『美紀、おめでとう!』
『お幸せに』
クラスの女子だけでつくったLINEのグループを見ると、そんな文字ばかりが目に入る。
私にとって辛い別れから、二ヶ月。
孝仁が新しい幸せを掴んで、一ヶ月。
泣いてばかりいる、毎日。
……そんなの、数えたってキリがない。
私自身との戦いは、始まったばかりだ。
**
学校に着き、いつもの日常が始まる。
それなりの覚悟を決めて学校へ来たが、思ったよりも教室は静かで——。
てっきり、『おめでとう』っていう声がもっと行きかうかと思っていた。
孝仁を、視界になるべく入れないように。
そうじゃないと、やっていけない。
だからなるべく見ないようにしていたけれど——……。
同じクラスな限り、どうしても視界に入ってしまう訳で。
まさに今、このタイミングで目が合ってしまった。
「……っあゆ、加耶、真枝、麻里ー! おはよ!!」
急いで目を逸らし、私は精一杯の笑顔で仲良しメンバーの元へと駆け寄る。
目が合うのも、いつ振りだろうか。
孝仁はもう、私と目が合っても何も思わない。
こんな汚い気持ちを抱いているのは、私だけ。
……うん、私だけなんだよ。
私は必死に自分の中で言い聞かせ、今日の学校も頑張ろうと決意した。
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