コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *涙恋華*(実話) 35話更新! ( No.85 )
- 日時: 2013/10/23 18:39
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: Lclzc8Gt)
- 参照: 君が好きなのは僕じゃないだけだ、
第三十七話『悪すぎるタイミング』
それにしても、
「……嘘でしょ……」
本当に、私のタイミングの悪さは酷過ぎると思う。
見たくないものまで、見えてしまう。
それを受け入れるのも、現実なんだけど。
「…………」
私は、言葉を失った。
邪魔をしないように、見ないように。
無事に授業を終わらせ、孝仁たちよりも先に学校から出たはず……だった。
だけど今、孝仁と美紀ちゃんが私の前に居る。
見事に、一緒に歩いて帰っていた。
「孝仁ーっばいばーい」
「孝仁ー!!!!」
「孝仁ばいばいー」
「……っお前ら、うるせー!!」
男子たちの冷やかす言葉すらも耳をすり抜ける。
それに対し、男子たちの方へ振り返って笑顔を向ける孝仁。
——直視、できない。
孝仁は男子たちを見た時に私に気付いたのか、美紀ちゃんから少し距離を置き始めた。
……私に、気を使ってるのがなんとなくわかる。
なんとなくじゃない、バレバレだ。
そして、美紀ちゃんの顔は凄く複雑な顔。
……私、明らかに邪魔者じゃないか。
そう悟り、気付いたときには足が進んでて。
徐々に二人に近づいていって、一気に抜かしていく。
二人が見えなくなるまで、私はひたすら足を進めた。
「……っはぁ……」
学校から大分離れ、振り返ればもう二人も見えない。
私は足を止め、小さく息を吐く。
……最低だ。
タイミング悪すぎだろ、私。
孝仁に気を使わせて、孝仁の彼女の美紀ちゃんに嫌な顔をさせて。
「最悪……」
二人の幸せを願えたら、どんなに楽だろう。
願えないからこそ辛くて、自分の愚かさが惨めすぎて。
「……はぁ」
涙は出ないけれど、大きなため息が出る。
考えれば私は孝仁と一緒に帰るだなんて、したことなかった。
『一緒に帰ろう』と言ってみても、いつも断られていて——……。
もしかして、もうその頃から答えは出てたの?
——孝仁が、嘘までついて私と別れたこと。
私も孝仁も嘘つきなこと。
私にはしなくて、あの子にはしてること。
孝仁が本気じゃなかった事も、全部もう答えが出てる。
……わかってる。
私自身がただ、その答えを認めたくなかっただけだ。