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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *涙恋華*(実話) 35話更新! ( No.91 )
- 日時: 2013/10/27 20:49
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: ol9itQdY)
- 参照: 君が好きなのは僕じゃないだけだ、
第四十話『最後のクラス』
今日で、最後の一年四組。
だけど最後は終業式などがあったりしてあっという間で、なんだか終わりという実感がなかった。
「——じゃあ皆、十八時にバイキング店なー!!」
村野のそんな声が響き、一年四組最後のHRは終わる。
さようならの挨拶と共に、皆次々と教室から出ていく。
四月八日も、クラス替え前に一度ここに集まらなきゃいけないし——。
これから打ち上げだし、なんだか本当に最後という感じがしない。
だけれど私の中で、少しの解放感があった。
「依麻、駅前で待ち合わせね」
「おっけ、あとでねー!」
仲良しグループとも別れ、私は廊下に出る。
それと同時に、目の前を歩く孝仁を追いかけていく美紀ちゃんが視界に入り——……。
私は、一瞬フリーズする。
……何を固まっている、私。
この光景ももう、間近では見なくて済む。
そう思いながら動こうとしたときに、孝仁がこっちを見て——、
目が、合ってしまった。
……まずい。
逃げようと思った隙に孝仁は歩き出し、後に続くように
「待って、孝仁くん!」
美紀ちゃんが、孝仁の背中に抱き付いた。
どうして毎回毎回、私の目の前で起きるんだ。
私はくるりと背中を向け、逃げるようにその場を去った。
まぁ、そんなのも今日で全てが終わりだ。
なんだか高校一年生最後っていう気がしないけれど——。
でもこれで、全部終わった。
学校も一緒だし、永遠にさよならではないけれど……。
このままクラスが変われば、関わりもなくなる。
この日々にもお別れ、なんだ。
私は振り返らずに、そのまま学校の外へと向かった。
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