コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *涙恋華*(実話) 39話更新! ( No.94 )
- 日時: 2013/11/11 16:40
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: ZpTcs73J)
第四十二話『浮かび上がる思い』
気にしないと決めた私は仲良しグループ達とひたすら食べまくり、騒いでいた。
そんな中で、
「おい、孝仁帰るって!」
文哉がそう叫び、皆の動きが止まる。
見れば、孝仁は上着を着ていて——。
って、帰るの早くないですか?
「帰るのー?」
真っ先に孝仁に着いていくのが、美紀ちゃんで。
私は進めていた箸の動きを止め、思わず見てしまう。
「——ていうか美紀と孝仁ってツーショット撮ったことなくない?」
「撮ってあげるよー!」
何故か孝仁と美紀ちゃんのツーショットでの撮影会が始まり——。
私達のグループは、全員フリーズ。
「……ッチ」
私の隣に居たあゆなんて、舌打ちする始末。
こ、怖いですあゆさん……!!
「……じゃあ、」
「あ、待って孝仁くん!」
撮影会が終わったかと思いきや、店の外へと向かう孝仁の後を追って美紀ちゃんが走り出した。
……なんで孝仁が帰るのに、美紀ちゃんがついていく必要があるの?
私の心の中ではそんな疑問が浮かんだが、気にしないようにひたすらケーキを頬張った。
**
そのまま食べまくり、お腹も膨らんだ頃——。
私は手を止め、ちらりと時計を見た。
……美紀ちゃんと孝仁が外に出て、もう十分以上経つ。
外で何してんだよ、おいおい。
そう思っていると、
「——あ、孝仁と美紀!」
タイミングよく二人が帰ってきた。
「え、なに? 孝仁結局帰らないのかい」
「あぁ」
孝仁は笑みを浮かべながら上着を脱ぐ。
な、なんだよ帰らないのかよ……!!
そう少しだけホッとするのと同時に、
「おい孝仁、外でなにしてきたのよ」
「孝仁、さっきより顔すっきりしてね?」
「えへへ」
男子たちの冷やかしと、照れるように笑う孝仁と美紀ちゃんの姿が目に入る。
……非常に、この場に居づらい。
なんで教室以外でもこの光景を見なくちゃいけないんだ。
私は孝仁と美紀ちゃんのイチャイチャを見る為に来たわけじゃないのに——。
そんな思いがふつふつと浮かぶのと共に、
「……ッチ」
どんどん隣のあゆの舌打ちの回数が増えていく。
そしてそのまま、
「もっと周りのこと考えろや、捻り潰すぞ」
小さくそんな一言を呟いた。
私の事で気を使ってくれるのは凄く嬉しいけれども——。
あゆ、怖すぎます。