コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: I find you 〜本当の恋〜【覗いてって下さい♪】 ( No.18 )
- 日時: 2013/09/15 09:40
- 名前: あちこ (ID: mnvJJNll)
*第11章 偽り*(side晴希)
「おい…カオリ。何とか言えよ」
「ー・・・・・。」
「カオリ!!ウソだって…さっきの全部ウソだって言えよっ…」
「ー・・・嘘じゃないよ。」
ーー・・・・そんな…。
これだけでもかなり傷つけられたはずなのに…
カオリはさらに言った。
「さっきの話、聞いてたんだよね?どこから聞いてたのか分かんないけど、どうせだしもう全部言うね。
私は…別に晴希の事…初めから…」
「やめろっ・・・・!!もういいから、聞いてたから…言うな…もうそれ以上何も言うな…」
「…おい、カオリ?彼氏かなり傷ついてんぞ??
嘘でも好きって言ってやるべきだったんだよー」
「えっ…言えないよそんなのーどうせ全部ー・・・」
「言うな…思ってもねぇクセに、"好き"なんて言うなっ!!
…俺を好きじゃなかったクセに…俺に…"好き"なんて言うなっ」
「おい、ヤバイって。彼氏はかなりカオリに惚れてたんじゃ…」
そうだよ…惚れてたよ…
俺1人、カオリに惚れてたんだよ…
「…そんな事言われても…困るってー私は本気じゃなかったし…晴希の気持ち…わかんないよぉー」
「だろうな…」
「ー・・・えっ?」
そうだ…当たり前だろ。
「ー・・・だろ」
「え?何て?」
「当たり前だろ!お前に…本気で好きだった俺の気持ち
が…お前になんてぜってぇわかんねぇ!
俺だって好きでもねえ奴に好きだって言って、
手繋いで、騙し続けてきたお前の気持ちなんてわかんねぇ
よ…」
ーそんなん…分かりたくもねぇ。
ーーーピピピピピッッ・・・
「あ、電話だ…もしもし〜あ、星羅?うんうん、てか今ちょっとモメてんだよー・・・ん?うん、そう…で今すごいキレてて大変なんだ…また後で掛け直すね」
「カオリ」
「な、何っ!?」
「俺は…本当にカオリに惚れてたよ。」
「ーーー・・・・・」
「カオリ、あの告白も嘘だった訳??」
「ーーーー・・・・」
カオリは小さく頷いた。
「本当に初めから遊ばれてたんだ、俺…バカみてぇ…」
「…ごめん…なさ…い」
カオリは申し訳なさそうにそう言った。
「謝る位なら…最初からこんな事すんなよ…
何でもっと早く謝んなかったんだよ…何で一年も…。
この一年間浮かれてたのも楽しかったのも、
初めから全部俺1人だったんじゃねぇか…」
「ー・・・」
「悪いけど…俺、もうお前とは友達にさえも戻れない…」
「ー・・・分かった」
そう言ってカオリは空我って男と去って行った。
ーークソッ…こんなのありかよ…。
告白された時、すげえ嬉しかったのに…
初めての彼女で…
俺なりに一生懸命大事にしてきたつもりだった…。
初めて好きなやつと二人で帰って、
初めて女子と2人で遊びに行って、
初めて好きなやつとキスして…
好きだって言いあえる相手が出来て…
本当に本当に本当に好きだったのに…
あの笑顔も、
あの言葉も、
あの告白も、
全部偽りでしかなかったんだ。
偽りの笑顔で、
偽りの言葉で、
偽りの…告白。
俺が初めて本気になった恋愛は、
『偽り』でしかなかったんだ … 。
ただ、俺の気持ちを除いて…。
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「…って感じで、カオリは俺の元カノなんです」
「そっか…晴希…くんっ……無理に話さして…ごめん…ねっ…」
いつも綺麗な村上先輩の顔は、涙でいっぱいだった。
「何で村上先輩が泣いてんですか…」
「だって…こんなの……ひどいじゃんっ…」
「もう、いいんですよ。俺はもう…」
「晴希…くんっ…そんな人ばっかりじゃないからっ……
ちゃんと…晴希君のこと…本気で好きになってくれる子…
絶対絶対…ちゃんといるからねっ…!
だから…だから…ちゃんと…幸せになりなさいっっ……
じゃないと…こんなの…晴希くんがかわいそすぎよ…」
俺は村上先輩に「次の彼女は先輩に紹介しに来るんで、悪い女だったら助けて下さいね」と言った。
そしたら村上先輩は「当たり前でしょ!」と言ってくれた。
店を出た時、先輩は「今日は嫌な話させて本当、ごめんね」と申し訳なさそうに言ってきた。
「実は俺、今そんなに辛くないんです。逆にちょっと嬉しかった。
先輩、俺の話聞いて泣いてくれたじゃないすか。
自分の事みたいに泣いてくれて、俺本当に嬉しかったんです。
だから、もう気にしないで下さい、村上先輩がいつまでも泣いてたらなんか調子狂っちゃいそうなんでっ!」
俺がそう言うと先輩はいつもの笑顔で
「晴希くん…明日のバイト、覚悟しときなさいよ?」と言った。
「嫌ですよ!あははっ…じゃあまた明日からよろしくお願いします!」
「気をつけてかえんなよね!」
「・・・それこっちのセリフっすよ」
「うっさい!…また明日、お休み」
そう言って先輩は帰って行った。
俺はこの日、改めて村上先輩がいい人だと思った。
今度…俺に好きなやつが出来たとしたら…
彼女が出来たとしたら…
ホントに村上先輩に見極めてもらいにいこうかな…なんて思いながら
俺は家に帰った。