コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: I find you 〜本当の恋〜【お客様待ってます!】 ( No.29 )
- 日時: 2013/09/22 10:55
- 名前: あちこ (ID: mnvJJNll)
*第12章 会いたい*(side奈津)
「夏休みは一ヶ月以上もあるんだよ!?
毎日なにしようかな…暇でしょうがないよ。」
ー・・・なんて言ってた過去の自分に教えてあげたい。
夏休みなんて、ダラダラしてたら一瞬なんだよって。
毎日同じようにダラダラ生活。
たまに祐介の家に行ったり…
結衣と買い物行ったり…。
ホントにこんなんでいいのかな…
こんな事ばっかしてたら高校生活なんて、
あっという間に終わってしまうんじゃないだろうか…。
ーーーーピーンポーンッ・・・・
そんな時だった。
インターホンが鳴り響いた。
「はぁ〜い…」
誰?宅配便かな…
「やっほー!奈津、久しぶり!」
「え、真姉ちゃん!?」
目の前には三ヶ月ぶりに合う羽瀬川  真(はせがわ まこ)の姿があった。
真姉ちゃんは三ヶ月前から隣街で一人暮らししてるんだ。
いきなり帰ってくるもんだから驚いた。
「ただいまぁ」
「ただいまぁって…急にどうしたの!?」
「あ、彼氏連れてきたの…陽、あがって」
「ー…おじゃましまーす」
彼氏連れてきたって………
真姉ちゃんって彼氏いたんだ…。
しかも…ちょっとかっこいいし…。
私のタイプじゃないけど…普通にかっこいい。
「あ!妹ちゃん?」
「は、ハイ!!初めましてっ」
「初めまして、"なっちゃん"。俺は陽!これからよろしくね」
「なっちゃん…??」
「奈津ちゃんって…言いにくいから、なっちゃん!嫌だった…!?」
やっぱりな…私の事を"なっちゃん"って言う人は、
昔から何人かいてた。
何で"なっちゃん"なの?って聞いたら、
皆声を揃えて言ったんだ…今の陽さんと同じことを。
「全然嫌じゃないですよ!それにそう呼ぶの、陽さんだけじゃないんですから」
「そっか!…って"陽さん"ってなんかよそよそしくない?
違うのにしてよ!あと、敬語もやめてね?俺はなっちゃ
んの事ホントの妹と思うからよろしくっ」
「じゃあ…陽兄で…いい?」
そう言うと陽兄は笑って「うん」と言ってくれた。
真姉の彼氏ってことは分かってたけど、
その時の陽兄の笑顔にはドキっとさせられた。
「ちょっと奈津、陽がカッコいいからって惚れたりしない
でよね!」
「し、してないよっ…もう、私部屋戻るから!
真姉今日泊まって帰んの?」
「んー今んとこは帰るつもりだけど…」
「…そっか。ゆっくりしてってね」
私がそう言うと真姉は「ありがとう」と言って
陽兄と話し始めたから、私は自分の部屋に戻った。
いいなあ…彼氏。
しかもあんなに仲いいし。
私も晴希とあんな風に……
ーーー・・・いや、無理だ。
第一あたしと晴希は普通に釣り合わないし…。
でも…あんな風に一緒に隣で笑い合いたいな…。
それどころか、夏休み入ってもう半分近く経つのに
晴希とはメールさえもしてない。
…いや、そりゃメールする内容がないからしかたないんだけど。
ちょっと位はメールとかしたいな…
やっぱりこういう時って私からメールしなきゃいけないのかな?
私はいろいろ考え込み20分かけてようやく
メールを送ることにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
To.晴希
送信者:奈津
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晴希、久しぶりだね!元気?
バイト忙しいの?
たまには遊ぼうね!
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
これでよしっー・・・っと。
「そーしん…」
どうしよ…返事帰って来るかな…
返してくれるよね…!?
すると五分後、メールがきた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
To.奈津
送信者:晴希
---------------------------------------------------
うん、元気だよ。
ほぼ毎日バイトだけど…
当たり前だろ、俺も遊びたいし、
適当に祐介ん家覗きにいくな!
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後の一行が、本当に嬉しかった。
いつ覗きにくるかなんて書いてないし、
私がいる時とも限らない。
だけど晴希に会えるって思うと…
小さな希望でも…嬉しかった。
会いたいな…晴希に…
バイト…忙しいから…仕方ないのに…
バイト…か………。
ん?バイト…。
そっか!!そうだよ!バイトだっ!!
私は急いで晴希にメールを送った。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
To.晴希
送信者:奈津
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晴希!明日もバイト!?
ーーーーーーーーーーーーーーーー
たった一行の短いメール。
そのメールには私の期待がいっぱい詰まっていた。
ーーーーピピピピッ・・・・
メールが届いた。
送信者はもちろん晴希から。
「き、来たぁっっ!」
思わず声にででしまった。
私は急いでメールをひらけた。
そこには二文字だけ書いてあった。
【うん】
その二文字に私は身体中から嬉しさがこみ上げてきた。
そして晴希に【そっか!頑張ってね!】と返信。
明日バイトってことは分かった。
後はシフトの時間さえわかれば…
それこそ晴希に聞けばいいんだけど、
時間まで聞いたらあやしまれるんじゃないか
という不安から聞けなかった。
どうにか…シフトの時間…
店長さんと仲良かったらなあ…
あ!そうだっ!いるじゃん!
晴希のシフト分かるかもしれない人!
そして私はある人に電話をかけた。
プルルルルルルーー・・・
電話の音だけが部屋に鳴り響く。
「ーはい?もしもし??」
「あ!もしもし!私、奈津だよ!」
「う、うん。わかってるよ?」
だ、だよねっ…あまりの興奮にまともに会話できてない。
「ね、ねえっ?バイト先…晴希と一緒なんだよねっ??」
そう、電話の相手は…カオリだった。
「え…あ、白石くん?一緒だけど…どうかした?」
「明日って晴希のシフト何時からかわかる!?」
「ーーーー・・・・・」
返事が聞こえない。
どうしたんだろう…私が変なこと聞いたからかな…。
「カ…オリ?あの…」
「あのさあ…前から思ってたんだけど…奈津って…その…
白石くんの事好きなの??」
「ええっ!?あ………う、うん…」
「そっか。だからか…明日は私と同じ時間だから朝の9時か
ら12時までだったと思うけど…」
「そ、そっか!ありがとう!明日コンビニ行くね!
…じゃあ私ちょっと用意するから切るねっ?
ごめん、カオリ、ありがとうっ!また明日ねっ」
「あ、うん。…またね」
カオリは驚いた様子でそう言って電話を切った。
朝から昼までかあ……よしっ!
「これで…やっと会える…!」
そう言って私は明日着る服を選びはじめた。
ーーーそう、明日晴希のバイト先に会いに行く。