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Re: I find you 〜本当の恋〜【参照70突破☆大感謝】 ( No.30 )
日時: 2013/09/16 16:49
名前: あちこ (ID: mnvJJNll)

*第13章 君の隣で*(side奈津)

いつもならまだ寝ている時間だったけど、
今日のあ私はもう起きている。

いつもならTシャツにスウェットのズボンを履いてる私も
今日は黒のマキシワンピにデニムのベストをいている。

普段、メイクはもちろん
ボサボサの髪を一つにまとめているだけの私が
今日は20分もかけてメイクしたし、
髪だってアイロンとケープで綺麗に仕上げた。
鏡に映る胸元まで伸びた髪をみて、
こんなに伸びたんだ…と、少し驚いた。

そんなこんなで時計をみるともう11時すぎ。

そろそろ行こっかな…
私は部屋を出た。

「お、なっちゃん。出掛けんの??」
「陽兄っ!うん、ちょっとね」
「そっか!俺も今日は真と出掛けるんだ」
「そっか!いってらっしゃい!」
「いってきます!!」
「ああああー!また奈津ったら陽と仲よくしてー!
まさか本気で陽のことーーー!?」

ーーー・・・ったく、本当に真姉は嫉妬深い。
今のこれだって、半分冗談で半分本気。
だいたい、5歳も離れてる私が陽兄を好きなんて
ありえないんだけどーー・・・。
それにあたしは…晴希が好きだし…。

「んなわけないでしょー。だいたい私だって好きな人位い
てるんだからー……」

その言葉に真姉は相当ビックリしたみたいで、
一瞬真姉は固まった。

「そうなの!?あ、…今からデートってわけ?だからそんな
にオシャレしてーー・・・・」
「ちがうよっ!そんなんじゃない。ちょっとコンビニ行く
だけだもん。ーーーもうっ、いってきますっっ!」

そう言って私は家をでた。

「「いってらっしゃい」」

真姉と陽兄は声を揃えて私に言った。

デートだなんてー・・・・
そんなわけないじゃん。
付き合ってるわけじゃないんだし。
ていうかまず晴希みたいなイケメンが私を相手にしてくれるはずない。
今まで2,3回告白された事ある程度の私と、
高校へ入学して何ヶ月かで
20回以上も告白された晴希は釣り合わない。

ーーー・・・それに晴希はあまり"彼女"を作りたがらない。
なんとなくそんな気がした。

…でも別にいいんだっ!
今はまだ付き合いたいとか、そんなに思わないし…
友達のままでいれたらそれでいい。

いまのままでも一緒に帰ったり、寄り道したり、
一緒に遊んだりも出来るし。
だから、今はまだこれ以上何も望まない。
ーーーーこの時はまだそう思ってた。

自転車で20分弱、
晴希が働くコンビニに着いた。

窓の外から晴希を探す。
ーーーーーーー・・・いたっっ!!

コンビニの制服を着て、笑顔で接客するイケメン。
それは紛れもなく晴希だった。

カランカランカランッッー・・・・・・

そっとドアを開けて中に入り、
晴希の視界に入らない場所へ移動した。

相変わらずカッコいいなあー…
久しぶりに見たせいか晴希がまたかっこよくなった気がした。
…私、ホント馬鹿だな…。

「お客様、誰かお探しですか?よければレジまで案内しま
すが…なんちゃって」
「か、カオリ!!?」

目の前には晴希と同じ制服を着ているカオリがいた。

「まさかとは思ったけど、バイト先までくるなんて、相
当だねー」
「だっ、だってさあー…」
「私は仕事戻るけど、ゆっくりしてきなよ」
「あ、ありがとう」

そう言ってカオリは仕事へ戻って行った。

「あーっ疲れたぁっー」
「ちょっと…村上先輩…」
「いいじゃん、今お客様いないんだし」
「…………。」
「なにー?晴希くんのくせに私に説教するっていうの??」
「い、いや、そんなつもりじゃっー・・・」
「どうだかねぇー」

なんだろう…あの人。
晴希と仲いいんだなあ…。
"村上先輩"って言ってたから先輩なんだろうけど…
歳はあんまり変わんないっぽいなぁ。

「ていうか晴希くん、見事にバイト三昧ね。毎日にてんじゃない?」
「…村上先輩だって俺がいる時、いつもいるじゃないですか…」
「そりゃーだって、晴希くん私がいないと…困るでしょ?」
「…………。」
「嘘だよっ!働けるうちにお金ためときたいからよ!
晴希くんもちょっとは貯金しときなよー??」
「…村上先輩…俺……」


ーーーーカランカランカランッッ・・・

「ほら、お客様きたわよ。」
「…ハイ」

…どうしたんだろ晴希。
あの村上先輩って人とは本当に先輩と後輩ってだけなの?
ーー分かってる…気にしても仕方ないのに…
嫌な考えばっかり頭ん中をよぎる。

もしかして…晴希はあの人と…

ありえない話じゃない。
だってあの村上先輩って…すごく綺麗だし…
性格だってよさそうだし…。

あーもう…こんなこと考える位なら…
こなきゃよかったかもーー・・・・・


「あ…れ……もしかして…奈津??」

ーーー!!!!

晴希が私に気付いたらしくこっちにきた。

「えっ、あー偶然だねっ!久しぶり」

偶然?そんな見え見えな嘘ついちゃって…
絶対ばれてるでしょ。

「どうした?ひとり?祐介ん家とか行ってねぇの?」
「あー…うん、今日はいってないよ!」
「なんだ、集まってないの?俺、今日は昼からバイトない
し祐介ん家覗きに行こっかなって思ってたのにー」

そんなっー・・・
せっかく晴希がバイトないのにっー
このままじゃまっすぐ帰っちゃうじゃんっー・・・

「じゃあさ!終わったら一緒に祐介ん家行こうよ?
…私が結衣と祐介にメールしとくしっっ!…ダメ?」
「ホント?やった!じゃあ…俺もうちょっとだし悪いけど
待っててなー」

そう言って晴希は私の頭を軽く撫でた。

「う、うん!」

自分でも顔が赤くなってくのが分かった。
夏休み前はこんなことで赤くなったりしなかったのになぁ…

それからしばらくして、晴希は私服で戻ってきた。

「あ、村上先輩、お疲れ様です」
「あ、お疲れー遊びにいくの?」
「はい、友達ん家いて来ます。先輩はデート楽しんできてください」
「言われなくてもそうするわよっ」
「じゃ、お疲れ様ですー」

そう言って晴希は私のとこへきた。
なんだ…あの先輩…彼氏いてたんだっ…

「おまたせ、メール返ってきた?」
「うん、結衣はもともと用事あって祐介ん家行ってたんだってー」
「用事…??………ま、いっか。行こっか」
「うんっっ」

私はそう言って晴希の隣に並んで歩いた。

隣にいたって、手は繋がない。
だけど歩くペースはお互い合わせて…

付き合ってるわけじゃない
だけど晴希のバイト終わるの待ってたり…

こんな曖昧で中途半端なの関係が…
今の私にはすごく心地よく感じた。

「どうかした?」
「ううん、何もないよ?」
「そ、ならいいけど」

彼女なら…手だって握れるし、抱きつくことも出来るのかもしれない。
でも…今はただ…こうして晴希の隣で一緒に歩けるだけで良いんだ。