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Re: I find you 〜本当の恋〜 ( No.7 )
日時: 2013/09/13 22:16
名前: あちこ (ID: mnvJJNll)

*第4章 止められない*

結衣を追いかけて高校に入学してから、
もうすぐ2ヶ月が経とうとしていて、
それは、同時に祐介と晴希と仲良くなって約2ヶ月でもあった。

高校はわりと楽しかった。
中学とはまた違った楽しみがあって…
なにより、学校の帰りに4人で遊びに行ったりするのは
私の一日の最大の楽しみになっていた。

「やっほー、奈津!」
「あー結衣!!早いじゃん」
「うん、ダッシュできたからね」


SHRがおわってチャイムがなった瞬間、
結衣は私の席にやってきた。

「お、結衣はやいじゃん」
「あ、祐介ー。髪切った?」
「ん?ああ。いい感じだろ?」
「ん?ぜーんぜんっ!」
「なんだよー…そこはウソでもカッコいいとか言えよなー」
「はいはい、カッコいいよー。」
「すっげー棒読みじゃんっっ」
「あははははははっっ」

いつも通り冗談言い合ってる祐介と結衣。
最近つくづく思う。
結衣は…祐介が好きなのかな?
祐介は結衣が好きなのかな?って。
もしこの二人が付き合ったりしたら、もう四人でいることはなくなっちゃうんじゃないかな……そんなの嫌だなぁ…。

「どーした?」
「…えっ!?」
「ぼーっとし過ぎ。どうした?」
「ううん、何もないよ。大丈夫、ありがとう!」
「…ならいいけど」

晴希は…すごく優しい。
いつも私…皆のこと気にかけてくれてる。

「なっつー、今日どこよってく?」
「あ、私今金欠なんだよねー」
「えーそうなの?じゃあー晴希どうする?」
「…何?俺ん家来るって事…?」
「おお、さっすが晴希!いけんの!?」
「姉ちゃんいるかもだけど…いい?」

「「「うん!!!」」」

私たちは声を揃えて返事をした。

普段はよく祐介の家に遊びに行くけど、
晴希のいえには行ったことがなかった。
だから、この前祐介ん家に行った時に
"次家で遊ぶ時は晴希ん家で遊ぼう"ってなってたって訳。
わたしはその日が楽しみで仕方なかった。

やっと、晴希の家に遊びに行けるんだっ!
…何か緊張してきたなっ…………

私たちはいつも通り、ベラベラ喋りながら晴希の家に向かった。

「ついたー!晴希ん家久しぶりー♪」
「本当久しぶり…4年ぶり位かな…!!」

そっか…二人はきたことあるんだよね。
ってことは緊張してんの私だけか………

「奈津、早く入れよ。もうあいつら二階上がったぞ」
「え、ウソ…」

いつのまに…

「部屋、わかんないよな?ジュースとってくるからここで待ってて」
「え、あ…うん!」

私は玄関に上がって、晴希を待っていた。
二階からは祐介と結衣の楽しそうな声が聞こえてきた。
…あの二人、本当仲いいなぁ。

ーーーーガチャ・・・

「ん?お客さん?」
「あ、あのお邪魔してます!」
「何々〜??晴希もう彼女できたの〜??」
「え、あ、いや…私はただの友達で…」
「えぇーそうなのー??」

晴希のお姉さん…思ってたよりよく喋るんだな…

「おい、姉ちゃん。あんま奈津の事困らせんなよなあ」
「ごめんね、可愛い子だからついつい!」
「ったく…ほら奈津、いくぞ。…姉ちゃん、あがってくんなよ」
「はぁ〜い…」

晴希のお姉さんは少し残念そうに台所へ向かった。
それにしても綺麗なお姉さん…
晴希は普通にイケメンだし、お姉さんは綺麗だし。
…ここの家族どうなってんだろう。

「はい、俺の部屋、ここ」
「…お、お邪魔します!」

ドアを開けると祐介と結衣がいつも通りじゃれていた。

「あー奈津、遅かったね」
「…だって結衣がほってくからー」

すこし結衣をいじめてみた。
もちろん、こんなこと全く思ってない。

「…ご、ごめん…ね?」

結衣は本気にしてしまったらしく、謝ってきた。

「ウソ、冗談だよ。下でね、晴希のお姉さんに会って喋ってたんだ」
「えっっ、美帆姉帰って来たの??!」

美帆…姉…??

「あ、晴希のお姉さん、美帆さんって言うんだー」
「あ、そうなんだ!」
「私、美帆姉に挨拶行ってくる〜♪♪」

そう言って結衣は美帆さんの所へ向かった。

「…ったく。本当結衣は美帆ちゃんの事好きだよなあー」
「昔から姉ちゃんの後ばっか追いかけてたしな」
「懐かしいよなー!祭の時とかさー………」

私の知らない話や思い出があるのは当たり前。
みんなは昔からの友達なんだし。
昔のことはわからなくて当たり前……。
……分かってるのに…凄く…寂しい…。

「でさぁー、美帆ちゃんが結衣のー・・・・」
「奈津!」

え・・・??

「大丈夫?お前わかんないよな…昔の話。
…祐介、昔の話すんのもうやめよ。」
「…あ、ごめんなっつー…俺…」
「いいよ、祐介、気にしないで」

祐介は悪気があったわけじゃない。
そんなこと分かってる。

ただ…ちょっとだけ淋しかったんだ。
私だけ知らない…思い出話が…。

「奈津、そんな顔すんなよ。これからは4人で新しい思い出いっぱいつくればいいじゃん、違う?」

…ほらね、また晴希は私の言って欲しい事が分かってるんだ。
今私が一番欲しかった言葉…。

「…ち、違わないっっ!!!」

「そ、なら今日からいっぱい思い出作ろうなっ」
「うん!!」

ダメだ…もう誤魔化しきれない。
認めるしかないんだ…

こんなにもドキドキして、
こんなにも目で追っかけて、
こんなにも愛おしい。


もう止めれないんだ。
引き返せないとこまで来てたんだ。


私は…晴希が…好きだ…。