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- Re: I find you 〜本当の恋〜【参照200突破!感謝♪】 ( No.72 )
- 日時: 2013/09/23 08:42
- 名前: あちこ (ID: mnvJJNll)
*第18章 決意*(side 晴希)
夏休みも終わって今日から学校だ。
今年の夏休みは割りと充実してたと思う。
…あのことを除けば…。
夏休みもあと数日って頃から毎晩のように
カオリから電話がかかってきたんだ…。
はじめは無視してたけど、電話に出なかったら
今度はメールばっか送ってくるから、
仕方なく一日十分っていう条件で電話に出た。
「ねぇ、奈津の事どうするのー?」
「晴希は奈津の事好きなの??」
「奈津と付き合うのー?」
カオリからの電話はほとんどそんな話だった。
しまいには「まだ私の事好きだったり…する?」なんて
バカみたいな冗談まで言ってきた。
本当に笑えない冗談だと言ったら、
カオリは笑って「もっかい付き合う?」なんて言ってきた。
その時はまだ五分しか話てなかったが俺が一方的に電話を切った。
でも、次の日の電話で一応謝て来た。
…全く許す気にならなかったけど…。
そんなこんなで毎晩のようにカオリと電話してたら
いつのまにか夏休みは終わってた…ってわけ。
カオリと電話したからって言って
俺の気持ちが変わった訳じゃなかったけど、
一つだけかわったことがあった……奈津の事だ。
別にカオリの為とかじゃなくて、
奈津が本当に俺のことを好きでいてくれてたとしても、
俺は今…奈津と付き合うことは出来ない。
だから…変な期待なんてさせたら奈津が傷つくだけだ。
もし告られて振ったりしたら…きっともう奈津と俺は……
今まで通り仲良くしてられないと思う。
奈津は俺にとって本当に大事な友達だから、そんな事は絶対避けたい。
そう考えると今まで通りの接し方だと、
奈津は期待する一方なんじゃないかと思った。
だからー・・・今日からは…いつもより少しだけ…
奈津と話す回数を減らしていこうと決めた。
別にカオリに「あんまり仲良くして欲しくない」って言われたから
とかじゃない。
全部俺が決めたことだった。
奈津を…傷つけないために…俺が決めたこと。
「お、晴希ー!久しぶり!!」
家のドアを開けたら、目の前には祐介がいた。
「おっ、久しぶり」
「なんだよー、元気なくないか?」
「お前が無駄に元気すぎなんじゃない?」
「あははっ!実はさー今日からもう弁当いるじゃん?
なんと、結衣が俺に弁当作ってきてくれんだって!!」
「おお!良かったじゃん!順調にいってんだな」
「まあな〜♪」
俺は出来るだけいつも通りで話した。
別に祐介と距離をとる必要はねぇし、普通にしてても問題ないよな。
問題は…奈津だよなー。
「でさー?結衣がさーーー・・・・」
学校に着くまで祐介のノロケにひたすら付き合わされた。
…まぁ、変に俺の話されるよりかはいいけど。
「あー、晴希くんと祐介だー!おっはよー!!」
「ホントだ!晴希くん、おはよー」
教室に入った瞬間、
一斉に周りの女の子達が俺らに駆け寄ってくる。
「おはよ!皆、久しぶりだよなー」
笑ってそういうと、皆が「夏休み何してたのー?」って聞いてきた。
俺が「バイト三昧(笑)」っていうと
「偉いじゃんっ!」とか「あたしもバイトすればよかったー」
などと言われた。
そして適当に会話が終わったとこで、
俺は自分の席に向かった。
隣を見るともう奈津の姿があった。
そこにはカオリもいた。
…あいつ……また奈津と…………。
「あ、なっつー!おはよっ♪」
「祐介、あんたは朝から幸せそうだねー」
「だってさ、今日な、結衣が俺に弁当作ってきてくれんだって!!」
「え?まじで?よかったじゃーんっ」
「まあなっ♪俺らラブラブだからな」
「…はいはい。そーですねー」
「なんだよなっつー!冷たくねぇ?」
「あはははははっっっ」
目の前では祐介と奈津が楽しそうに話している。
祐介のやつ…また結衣の弁当の話自慢してる…
よっぽど嬉しいんだろうな…。
にしても…カオリのやつ奈津と一緒にいて…
なんか企んでんじゃないかと心配になって
カオリを軽く睨みつけると、
カオリは「じゃ、私は席に戻るね」そう言って
奈津の席から離れていった。
そのタイミングを見計らったように、奈津が話かけてきた。
「晴希!おはよっ!久しぶりだよねー」
いつも通り普通の奈津。
俺は軽く笑って「ん、おはよ。久しぶり…だよな」と返した。
でも…奈津がなんかおかしい。
さすがにちょっと冷たかったかな??
いつもなら俺から「おはよ」っていうし…
そんな事考えてたら奈津が泣きそうな顔して言い出した。
「晴希…なんか怒ってる…?」
ん?怒ってなんかねぇよ!!そう言おうとしたら
奈津は続けて言い出した。
「私、何かした??
もし晴希の事怒らせてたならー・・・・」
「違う。ゴメンな、本当にそんなんじゃないから…」
俺がそう言うと奈津は『じゃあなんでそんなに冷たいの?』
って顔でこっちを見てきた。
こんなんじゃ…奈津が傷つくのも時間の問題なんじゃー・・・
でもどうしたらいいんだよ………。
あーもう…わけわかんね………
そう思った瞬間、俺は席を立って教室を出て行った。