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Re: I find you 〜本当の恋〜【参照200突破!感謝♪】 ( No.74 )
日時: 2013/09/23 22:00
名前: あちこ (ID: mnvJJNll)

*第19章 幼馴染の優しさ(side晴希)

俺が教室を出て行くと、
「あ、おいっ晴希?もう担任くるぞ?」
なんて言って祐介が後ろからついて来た。

俺は何も言わず屋上に向かった。

「なぁ晴希……なんかあった?」
「………………。」
「あきらかに…なっつーに冷たかったよな?
喧嘩でもした?」
「…そんなんじゃねぇーけど…」

珍しく祐介が真剣な顔してこっちを見ていたから
俺は祐介に全部話した。

カオリとバイト先が一緒だった事も、
夏休みの終わりごろ毎晩のようにカオリから電話がかかってきた事も、
奈津が傷つくとこを見たくないってことも…全部。

「なんだ、気付いてたんだな。…なっつーの気持ち」
「…祐介こそ知ってたんだな、意外っ!」
「で…このまま帰んの?」
「だってさ、奈津と…気まずいし…」
「んじゃあさ!俺も一緒に帰ってやるから、これからどうするか一緒に考えよーぜ?なっつーも可哀想だし」
「ああ…そうだな」

そう言って俺らは教室にカバンを取りに戻った。
教室にはちょうど誰もいてなくて始業式中なんだと気付いた。

そしてカバンを持ち門へ向かう…。

「あっっ!!」

祐介がバカ、みたいにおっきい声で叫んだ。

「何?先生にバレたらめんどくせぇのに、おっきい声だすなよ」

俺がさめた顔でそういうと祐介は笑って「弁当!」と言った。
ー・・・・・弁当???

「だから!結衣が俺に作ってくれた弁当だよ!!
せっかく作ってくれたのに…」

祐介は残念そうにそう言う。
確かに結衣は普段から料理してるから
結衣の弁当はなかなかのもんだと思う。
それに結衣は祐介の彼女なわけだし…。
俺のせいで祐介の初めての彼女の手作り弁当を無駄にするのは
さすがに心が痛かった。

「祐介、結衣が始業式から帰ってくんのまっとこ。
弁当だけもらって帰る事になるけど…
っていうかやっぱお前は学校に残れよ…?」
「いーよ!結衣いは悪いけど今日は弁当だけもらって帰るわ。
俺さ、こんなんだけど昔っからの友達より彼女なんて無理だし」

祐介…………。

「…自分だけかっこつけてんな、ばーか」

ホントはバカなんて思ってなかった。
ホントは凄く凄く…嬉しかったんだ…。
でも、恥ずかしくてそんな事は言えなかったけど…。

「あー!バカとか言うやつには結衣の弁当わけてやんねー」
「…どーせ元々やる気ねぇんだろ」
「あ、バレた?」
「俺だって人の彼女の手作り弁当なんて食えねぇよ」
「ま、結衣だし!ちょっと位ならいんじゃない?友達のよしみで!」
「…かもなっ」

そんな事言ってる間に結衣が教室に帰ってきた。
結衣は友達と一緒だったが、
前の廊下で待ってた俺らに気が付きこっちへ来た。

「祐介!晴希もいるじゃん、どうしたのー??」
「あ、結衣!実はさ俺ら早退するんだー。
だから悪いんだけど…弁当持って帰って食ってもいい??」

祐介がそう言うと結衣はなぜか俺の方を見た。

「晴希!何かあるなら私の事だって頼っていいんだよ??
中学の三年間は大っきいけどー…私だって一応、幼馴染なんだよ?」

結衣は中学の時一緒に居なかった事をやたら気にしてる。

「…あぁ。分かってる、俺だって結衣は大事な幼馴染の一人って思ってるよ。まぁ、今はとりあえず祐介いるし大丈夫だから心配すんなっ?
祐介が頼んなかったら結衣に相談しに来るからそん時はよろしくな」

俺がそう言ったら結衣は凄く喜んで、
「うん!いつでも聞くからね!」って言ってくれた。

結衣は祐介の彼女である前に、俺の大事な幼馴染の一人だ。
俺だって祐介と同じ時間だけ結衣と一緒にいたんだから
結衣の良いとこや性格はそれなりに分かってる。
でも…なんか改めて結衣が良い奴って事に気付いた。

「んじゃ祐介、今度埋め合わせよろしくね?」
「ん!ホントにゴメンな、コレちゃんと残さず食うから!」
「当たり前でしょっっ!」

結衣は本当に幸せそうだった。
この二人を見ていたら、結衣みたいにいい女もいるんだなと思った。
祐介は本当に幸せな恋を見つけたんだと思う。

「じゃーかえるか!」
「おぅ」

そして俺たちは解決策を考える為に、祐介の家に向かった。