コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 氷 ( No.181 )
- 日時: 2013/09/23 23:39
- 名前: 氷麗 (ID: Iju2i7Ct)
常盤台中学はこれもまた広く、お嬢様学校と呼ばれるに相応しいような洋風な瓦礫作りのまるで城の様な所だ。
どうやら学び舎の園という広い1つの町の中に5つの女学校とその寮を詰め込んでいるらしい。
もっとも常盤台の寮が学び舎の園の中にもあるらしいが私は学び舎の園の外の寮だった。
普通に横断歩道や公園や美容院やら色んな物がそろっている。
普段使うものは何でも揃っているらしい。
学び舎の園は基本他校の生徒は入れないようにできている。
要はお嬢様学校の集合体の様なものだ。
「職員室はここだよ。」
これもまた随分広そうだ。
「有難う、春上さん。また帰り待ってる。」
春上さんが見えなくなるまで見送ると職員室をノックした。
「九条です。教科書をとりにきました。」
「ああ、こっちこっち!!」
職員室の奥に座っていた凄く長い髪をポニーテールにしている女の先生だ。
何故かジャージを着ている。
「初めまして、詠川だ。お前が学校に来た時に担任になる、宜しくな。
お前のクラスはシステムスキャンの後決められる。」
「分かりました。」
「2週間後の水曜日、春上と一緒に回ると良い。」
「はい。」
すると先生は少し引き締まった顔をした。
「春上とは上手くやってるか?」
「ええ。あれほど仲の良い友達を持ったのは初めてです。」
先生は微笑んだ。
「そうか、あいつも嬉しいだろう。」
少しこれまでのことを振り返った。
何時も何時も近くにいて楽しかった。
「そうだと…光栄です。」
「強制送還というからどんな奴かと思えば結構礼儀いいじゃねぇか。
記憶喪失というのは本当らしいな。」
「ええ。嘘をつく理由など私としては存じ上げませんが。」
「少し生意気だけどな。」
「お褒めに頂き光栄です。」
「教科書はここにある。体操着はまだ届いていないがそろそろだろう。
来てそうそうなんだがお前、風紀委員になるか?」
「風紀委員?」
「能力者の学生たちによる学園都市の治安維持機関、と言ったところだ。
9枚の契約書にサイン、13種類の適正試験、4か月に及ぶ研修が必須だが能力のレベルは問われない。
あくまで学生の機関であるので重要な任務に就かされることはないし、装備も必要最小限の物(ゴム弾や信号弾)。
まぁ装備を使用したり、管轄外で活動すると始末書を書く必要がある。
仕事がない時は落し物捜索や掃除ばかりをするんだがな。」
話は唐突であったが意味は分かった。
「システムスキャンを終えてからじっくり考えます。」
とりあえずそう答えた。
春上さんの意見も聞いてから決めようと思った。