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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 氷 ( No.218 )
- 日時: 2013/09/25 22:59
- 名前: 氷麗 (ID: fOW/FHMu)
やはり少し躊躇していたがやがてプルタブに指をかけて開けると覚悟を決めたようにグイッと飲む。
それを見届けると私から質問した。
「あんたっていくつ?」
「高1。いちおうまだ15歳だ。」
やはり。あからさまに同い年ではない。
「そう。私は中学二年生。」
「あっ、ああ。そういえば病み上がりだって言ったよな。」
その質問には答えない。
「もしかしてあの時のことが原因か?」
「さぁね、言わずもがな、かな。」
少し遠まわしに言う。
「それよりか、あんたこの後暇?暇だよね。
あんたゲーセン付き合いなさいっとこの課題を持って帰らないと。」
テレポートはしばらく使わないようにしていたのだが仕方ない。
「あっ良いって。俺の寮近くだからおいてけばいい。」
ゲーセン自体は了承してくれたのか。
「そうだな。っとお前は無能力者か。いい、自分で持つ。」
課題を2つに分けてそれぞれ持った。
「私は能力をむやみに使わない。能力は人をダメにする。
私は運よく能力者になった訳だが正直言うと無くて構わなかった。」
こんな力など必要なかった。
そうすれば雫と別れることもなかったのだから。
だが一度でもこの力に喜んだこともまた事実。
いつかは必ず雫に別れを告げなきゃいけないことは分かっていた。
だからこれでいいんだ。
「これ、いつまでだ?」
「明日。」
「!?今日中に終わるのか?」
「さぁな。」
適当にあしらった。
正直終わる気はしない。
「これ先にやってから行くか。」
「良いのか?」
「…ああ。どうせ俺は今日宿題ないし復習程度に。
病み上がりで辛いだろうし、これが終わったら心おきなく遊べるだろう。」
ああ…懐かしい…
「…そうだな、では頼もうかな。」
私は無意識の内に微笑んでそう答えた。
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