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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 氷 ( No.631 )
- 日時: 2013/10/11 22:38
- 名前: 氷麗 (ID: IGAMlEcf)
外に出る。
そろそろ11時半になる。
そろそろ学校に向かう時間だ。
「楽、話がある。」
そう言って楽の耳元に囁いて外に出てくるのにどれだけの勇気を要したか。
「あのこと覚えてる?11月1日。この場所で話したこと。
あれって嘘だよね。あくまで友達的な意味だよね。」
だが楽は想像とは違う答えを即答した。
「違う。友達でいるのは…もう嫌なんだ。」
「やっぱり…あの時起きてたんだな。」
あの時と言うのは転入の話を聞く少し前に1度教室で楽が机に突っ伏して寝ている時、周りに人がいない時に囁いた。
「もう…友達でいるのは嫌だ。」
少しいたずら半分でもあったのだが起きていたのか。
以前の私なら想いが通じ合ったと喜ぶだろう。
でも今ではもう事情が違った。
きっとあの時の距離のままで良かった。
もっと近くなることが少し怖かった。
だって…何時までも一緒なんていられないから。
「楽、ごめん。もう…楽のことは好きじゃない…」
「お前はいつも反対のことを言う。」
聞いたことがある…
「「怒ってないって言っても怒ってるし泣いてないって言っても泣いてる。」」
つい言葉を挟んでしまった。
「だからお前が俺のことを好きじゃないって言っても信じない。」
その言葉…誰かから聞いたことがある…
「そうかな…でも私はね…もう楽が好きじゃない。もののけ学校への転入を決めたのそういう訳なの。」
もうここでお別れだ。
事情を話しても構わないだろうか。
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