コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 氷 ( No.84 )
- 日時: 2013/09/25 23:06
- 名前: 氷麗 (ID: fOW/FHMu)
>>79
新しい体。以前と何ら変わりのない体。
転生しても以前負った傷痕は消えていない。
それと数日の体の自由と転生用の体。
それが転生の代償だ。
まぁもともと体は弱かったようだが…
学校にいた時の健康診断では喘息だったことが判明した。
昨夜無理して久我家に元の体を運んだ。
そのせいでまだまだ体は動けそうにない。
帰り道に意識はなかった。
いつも雫に面倒ばかりかけてしまうな…
風邪の1つや2つなってほしいものだ。
雫は完璧すぎるほど食事や給仕、その他の家事を見事にこなす。
蓮華が明らかに家事の妨害と思えるほどべたべたしていても
何時も通りの時間に夕餉が食べれる。
あれから私は食事がのどを通らなくなりほとんど何も食べていなかった。
のどに通そうとしても通らないのだ。
もともとあまり食事は取らなくても平気なのだが、
ここに来てからは決まった時間に食事をとるので腹が減った。
空腹と言う感覚を改めて叩き込まれた気さえした。
雫は最初こそは家事の合間によく私を見に来ていたが今では食事の時以外はほとんど来ない。
よほど蓮華がしつこいこともあるだろうし、何より今の私の状態は雫ではどうしようもないものだからだろう。
そう思うと早く動けるようになりたい。
心から私はそれを願った。
何週間かたち、ようやく体が動くようになった。
壁をつたい歩いたり、雫の肩を借りて歩けるようになった。
まさかこんなに時間がかかるとは思わなかった。
今はトラウマが甦ったり記憶を失うことはなかった。
良かった。
もう雫の手を煩わせたくない。
前から常々思っていたが何時も雫の手を煩わせないように気を付けていながらも結局は煩わせている。
バカだなぁ…私が雫に迷惑かけないように頑張る度逆にかけてしまうんだから。
本当にしょうがないやつだ。
結局は雫には敵わないんだな。
優しくて強くて温かくて愛しい雫には。