コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

始まりの場所【4】 ( No.15 )
日時: 2014/09/30 23:56
名前: ゴマ猫 (ID: /..WfHud)

「準一、最低だな」

 翌日、昼休みの教室にて昼食を取りながら友人の山部 涼(やまべ りょう)に事の顛末を話すと、思いっきり批判された。逆立った短めの黒髪に、黒縁メガネがトレードマークの好青年だ。
 体型もスラリとしていて、女子に人気があるとかないとか。

「なぜだ? 不審者を追っ払っただけだろ?」

「……あのなぁ、確かに不審な点はあるけど、深夜に女の子を1人で追い返すのはないだろ」

 やれやれとでも言いたげに溜め息混じりにそう話す涼。まったくこいつは何を言ってるんだ? これほど正しい行動はないだろ。

「涼には危機感って言葉がないようだな。寝首でもかかれたらどうすんだ?」

「どこの組織に狙われてんだ!?」

 俺の言葉に間髪入れずにツッコミを入れてくる涼。

「……そうじゃなくて、警察に連絡して捜索願が出てるかどうかとか確認しても良かったんじゃないか? って事だよ」

 ——面倒くさ。
 そんな事するくらいなら放置するよ。俺は涼の言葉に思わず顔をしかめてしまった。

「やれやれ、準一の面倒くさい病はなんとかならんもんかね」

「……ほっとけ」

 どっちにしたって、もう居なくなったんだ。仕方なしにでも家に帰ったに決まってるさ。そう思い、残りの弁当を口の中にかきこんでお茶と一緒に流しこんだ。