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Re: 【第8話更新!】依頼屋ストロギア【次回水龍撃退編デス】 ( No.24 )
日時: 2013/11/10 18:13
名前: 空銃 ◆QJMxOkeYCQ (ID: ncyYlurw)

第9話

凛達が幽霊屋敷で依頼をしている同時刻。
俺、慎は海底洞窟に到着した。

「マジで着いた……」

こんなに驚くのも無理は無いと自分では思う。
だって、今日の今日まで俺はこんな所に来た事が無いし、こんな様な出来事にも体験した事は無い。
海底洞窟にワープしたってだけで仰天モノだ。
するとすぐに蓮、楓、玲華が来た。

彼らはワープするのが当然だ、という風に、他愛も無い会話をしている。

「お、慎。早いなぁ。初めての依頼で緊張してるかもしれないけど頑張ろう」

「なぁ玲華、水龍の撃退なんて、久々やなー」

「そうねー! 頑張りましょ!」

「ま、俺達なら水龍撃退くらいは大丈夫か」

「いやいや、俺初めてだし。水龍どころかそういう獣見た事無いし」

「大丈夫大丈夫。ウチも初めての時はビビったけど、案外なんとかなるもんやで」

そうか、俺だって依頼屋ストロギアの一員だ。
最初は慣れなくても頑張るか。

「おし、慎。そろそろ水龍が来るよ。3、2、1」

ザバァーン!
蓮のカウントダウンが終わった直後、奥の湖から水色の両手が出てきた。
凄まじくでかい。俺を余裕で包めるサイズだ。

「てか、連は何で出てくるタイミングが分かったの? 凄ェ」

「まぁ、長年のカンって奴さ新入り。ヘヘン」

蓮が自慢気に言う。

「蓮だけじゃなくて私達にも分かるわよ。慎にも分かる時が来るわ」

そうなのか、と思ったその時、ノソノソと頭が湖から出てきた。
凶暴な顔つきだ。凄い怖い。
どんどん全身が見えてくる。
遂に全身が見えた。でかいの一言じゃ表す事が出来ないくらいでかい。

「あれ、あの子、大きくなったんじゃない? 赤ちゃんでも出来たのかしら!」

「赤ちゃんが出来て、何で大きくなるねん!」

玲華と楓の漫才?からも分かるように、前に戦った時よりでかくなっているらしい。
という事は、このサイズの水龍とは今まで戦った事が無いって事か……?
益々怖くなってきた。

「なぁ蓮。ちょっと最初見てていいか?」

「ああ、勿論。俺達に任せといて」

そう言うと連は思いっきり水龍に向かって走る。
水龍の目の前くらいに達した時、水龍が腕を振るう。
それを避け、大きく飛び上がる。
そして蓮は、落下中に刀を抜き出し、水龍の頭に向かって刀を振り下ろした。

「おらぁっ!」

水龍はとてもダメージを喰らっている。
今の一撃だけでこんなに怯むとは、どれだけ強いんだ、蓮は。

今度は玲華だ。
軽やかなステップで水龍を混乱させる。
水龍が目を回した時、玲華が水龍の腕に乗った。

水龍はまだ目を覚まさない。
玲華が腕をどんどん渡って頬の横に来た。
「そろそろ起きなさい!」
といって小さな手でビンタをした。

素手で打ったビンタにも関わらず威力は絶大。
一度目を覚ますもその攻撃でまた気絶をした。

「次はウチかな」

と、楓が行った。
そして、水龍に大きな声で叫ぶ。

「おーい! アホドラゴンー! 悔しかったらここまで来いやー!」

人間の言葉が理解できるのであろう、水龍は怒り食らった表情で襲ってきた。
しかし楓は怖がりもせず、向かってくる水龍に対して言い放った。

「ホンマ、アホやな。ウチに向かってくるなんて。死ぬで?」

といい、思いきり飛び蹴りをかました。
水龍が倒れる。

「マジであっけなかったな、慎の出番もない」

「まぁ、3人のスゴ技が見れて良かったよ。これで、依頼達成かな?」

「アレ、でも帰還ボタンが反応せえへん」

「という事は、まだ依頼が終わってないって事……?」

その時、誰かの声が聞こえた。

「ああ、そういう事だ」

「誰だ? どこにいる」

「お前らの目の前にいるだろ」

目の前には水龍がいるだけだ。

「そう、そのボロボロの水龍だ。見てろ? 面白い事してやるよ」

すると、水龍の周りに黒いたくさんオーラみたいなものが水龍の体の中に入ってくる。

「私、嫌な予感がしてきたわ……」

「ビンゴだお嬢ちゃん。お前らの死ぬ時が来たぞ」

そう言うと、水龍の姿かたちが変形し、人間のようになった。

「俺は水龍に化けていただけの人間だ。やっぱり、龍の体だと弱っちいなぁ。今から、本気で勝負してやるよ」

そういってその人間は、腰から銃を取り出した。

「お前らは下がってろ。危ない」

そう言うと、蓮も銃を取り出した。

「男と男の戦いって奴か……。面白ェ、ぶっ殺してやろうじゃんか」


俺が何もできないのが悔しい。が、今は連に全てを託すしかなかった。


————————

この時も、セアはモニターで確認をしていた。

「幽霊屋敷なんかより、やっぱ無能力のリーダー君の戦いを見てた方が面白いな」

女が問いかける。

「セア様、もう王の十二家来の一人を使っていいのですか?」

「まぁ、コイツはその中でも一番雑魚な、変幻自在のガンマンだからね、名前は忘れた」

「まぁ、こんな雑魚の名前を覚えていない方が当然でございます」

「リーダー君が、どんな風に勝つかが楽しみだねェ」

そう言うとセアは、いつものように、狂うように笑った。